この半導体ニュースのまとめ

・AMATとIntelがAIコンピューティング向け半導体技術の共同開発を拡大
・次世代トランジスタ、配線、Foverosベースの3D積層技術を共同開発
・EPICセンターとIntelの研究開発拠点を活用し、量産導入までの期間短縮を目指す

Applied Materials(AMAT:アプライド マテリアルズ)は10月6日(米国時間)、IntelとAIコンピューティング向け半導体技術の開発を加速する協業を進めることを発表した。

両社は、AMATが米シリコンバレーに設置する研究開発拠点「EPICセンター」と、Intelが米オレゴン州ヒルズボロに持つ研究開発拠点の技術や設備を活用することで、次世代トランジスタ、配線、先端パッケージング技術を対象に、研究開発から量産導入までの期間短縮を目指すとしている。

両社は長年、半導体デバイスの微細化に伴う材料や製造プロセスの課題解決に取り組んできた。今回の協業では、EPICセンターを活用することでAIの演算性能と電力効率を高めるため、材料、製造プロセス、半導体デバイス構造、パッケージングを一体的に開発することで、米国における研究室での成果を大量生産へとつなぐ取り組みを加速することが期待できるとしている。

先端ロジックのトランジスタと配線技術を共同開発

AI半導体では、演算性能の向上に加え、消費電力と発熱を抑えることが重要となっている。先端プロセスへの移行に伴ってトランジスタ構造は複雑化し、トランジスタ間を接続する配線の微細化も難しくなっている。配線抵抗の増大や消費電力、信号遅延などが、半導体全体の性能を左右する要因となるためである。

AMATとIntelは、AIワークロードを対象とする先端ロジックプロセスに向けた次世代半導体材料、製造プロセス、デバイスアーキテクチャを共同で開発してきた経験を、EPICセンターで進化させていくことを目指すとしており、協業範囲としてトランジスタ形成工程(FEOL)に加えて配線形成工程(BEOL)における配線の微細化などの技術開発を進めるとする。

また、Intelの3Dパッケージング技術「Foveros」をベースとした先端パッケージング技術も共同開発する。Foverosは、複数のダイを垂直方向へ積層し、相互接続する技術で、異なる機能や製造プロセスを採用したダイを組み合わせることで、単一ダイのプロセス微細化だけに依存せずに、システム全体の性能や機能を高めることができる点が特徴である。

ただし、ダイの積層数や接続密度の増加に伴い、チップ間の配線、電力供給、放熱、構造的な信頼性といった課題が複雑化していくことから、共同開発を通じて、相互接続密度の向上、電力供給の改善、熱性能の向上を図り、エージェンティックAIなど新たなAIワークロードを処理する高性能コンピューティングプラットフォームへの適用を目指すという。

なお、シリコンバレーで2026年内の運用開始予定であるEPICセンターのEPICとは、「Equipment and Process Innovation and Commercialization」の略で、半導体メーカーや大学と協力して、新たな材料やデバイス構造、製造プロセスを初期研究から量産へ移行するまでの期間短縮を目的とするプロセス研究開発拠点であり、Intelは同センターの創設パートナーの1社として参画。両社の研究開発チームがEPICセンターとIntelの拠点で連携し、次世代材料や製造プロセスの開発から、量産への移行までを一体的に進めることを目指すとしている。

AMATの顧客であるIntelのような半導体メーカーにとって同センターは、AMATの研究開発ポートフォリオへの早期アクセス、学習サイクルの短縮、次世代技術の大量生産への迅速な移行を可能にするプラットフォームとしての役割を果たすことが期待されている。