【 財務省 】消費税減税協議が大詰め 財源確保のめどは立たず

食料品の消費税減税に向けた協議が大詰めを迎える中、財務省がやきもきしている。来年4月から2年間、税率を1%に引き下げ、給付との組み合わせで「実質ゼロ」にする案で調整が進むが、ここにきて国民民主党の連立政権入りを巡る動きが冷や水を浴びせかねないためだ。

 高市早苗首相は6月17日、フランスで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)後の記者会見で、国民民主の連立政権入りに対する見解を聞かれ、「政治の安定なくして強い経済、外交、安全保障は推進できない」とし、「必要な対応は常に考えている」と述べた。参院で与党の過半数割れが続く中、首相を支える麻生太郎自民党副総裁が国民民主の連立政権入りに前向きで、首相の発言は麻生氏の意向を踏まえたものだ。

 一方、消費税減税について国民民主は「2年後に景気が悪かったら増税できるのか」(玉木雄一郎代表)などと指摘。自民の中でも「2年後に税率を元に戻せば『大増税』と言われる。選挙に勝てない」(閣僚経験者)と慎重な見方が多い。

 財務省は首相発言に対し「このタイミングで消費税減税が政局になるのは最悪だ」(主計局幹部)と警戒する。

 為替市場では1ドル=161円台に下落し、円安が加速している。政府・日銀は4~5月に総額11兆円超の円買い・ドル売り介入を実施したが、介入効果は2カ月あまりで帳消しとなり、円安が進めば物価高対策としての消費税減税の効果は薄れているとの懸念は根強い。

 今のところ、円安に歯止めがかかる気配はない。減税に伴う巨額の財源確保のめども立っておらず、財務省幹部は「首相の公約だからやるだけ。消費税減税で喜ぶ人はいない」と肩を落とす。

【 イラン攻撃による原油高騰の余波 】第一ライフ資産運用経済研究所首席エコノミスト・熊野 英生