【 経営写 】タカキュー社長・伊藤健治「セットアップといえばタカキュー」 と言われる存在を目指したい!

大きく変化する購買行動

「ビジネスウェアを売る会社」から「働く人の印象と自信をつくる会社」へ――。1950年創業の当社は約75年という長い歴史を持つ会社ですが、今はまさに次の成長に向けた再出発のタイミングと捉えています。

 消費者の購買行動は大きく変化しています。仕事のために必要に迫られて買うという購買だけではなく、今は真に価値を感じるものにお金を使うという傾向が強まっているからです。

 特にビジネスウェアでは、スーツ一辺倒ではなく、オン・オフで兼用できる「セットアップ」や清涼感のあるシャツ、機能性の高いアイテムなど仕事でも日常でも使える汎用性が求められています。ただ、お客様の価格に対する目線は非常にシビア。単に安いから売れるのではなく、価格に見合った品質・着心地・機能・コーディネート提案があるかどうかをしっかり見極めていると感じます。

 その点、当社は紳士服とファッションの双方を扱い、バイイングや販売の知見を蓄積してきました。まさにスーツ屋とファッション屋の中間ゾーンを狙えるという独自性が当社の強みになります。「セットアップといえばタカキュー」と言われるように、この領域でジャケットやシャツ、ブルゾン、そしてパンツなど上下を選べる同素材の多様な組み合わせをどんどん提案していきたいと思っています。

 

100を超える店舗と販売員

 こういった提案ができるのも、100を超えるリアルな直営店舗網と販売員がいるからです。私が顧問として当社に参画した2024年5月当時は、当社にデザイナーは不在でバイイング中心のビジネスモデルでした。そこで私は外部からデザイナーを採用するなど商品の設計から作り込む体制に移行させ、完成度を高めた商品を本格展開し、良否の検証を通じて学習サイクルを回すモデルに変革しました。

 その際、大事なことは当社の販売員が納得する商品でなければ売れないということです。この認識から勉強会などを通じて、その価値観を共有していきました。その結果、ものづくりを内製強化し、販売員の説明力と店頭表現を梃子に「価値で売る」体制へと変わってきました。

 次の76年に向けて、まずは100年続く企業になるためにも、値引きではなく価値で選ばれる企業へと転換していきたいと思っています。

PROFILE

いとう・けんじ・1966年大阪府出身。縫製業を営む父の影響を受け、デザイナーを目指して大阪の専門学校へ進学して卒業。87年ファイブフォックス入社。97年に自身のブランド「KENJIITO COMMECA COLLECTION」をスタートし、東京コレクションで発表。その後、メンズ6ブランドを統括。2016年取締役本部長、20年副社長などを歴任。ジャパンブルーを経て、24年5月タカキュー顧問、9月から現職。

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