
総務省は、インターネットやSNS上に違法に放送番組がアップロードされる行為が横行している問題について、民放連などの要望を踏まえ、情報流通プラットフォーム対処法に基づく動画の削除などの対応を強化する方針を明らかにした。
昨年4月施行の情報流通プラットフォーム対処法は、巨大IT企業や大規模プラットフォーム事業者に対し、削除対応の迅速化や運用状況の透明化を義務付けており、林芳正総務相は「同法の着実な運用を行う」と述べた。
また、こうした違法動画のアップロード元が広告収入を得ることがないよう、総務省は広告主等自らがデジタル広告の流通を巡るリスクを認識するよう促すガイダンスを策定した。林総務相は「現在、ガイダンスの普及啓発活動に取り組んでいる」と説明した上で、「これらの取り組みを通じ、引き続きインターネット上の権利侵害情報への対応を進める」と語った。
放送番組の違法動画を巡っては、日本民間放送連盟(民放連)が、動画投稿サイト『ユーチューブ』などへのテレビ番組の違法アップロードに関する調査を実施。抽出した300のアカウントに1万5千件超の違法動画が見つかり、少なくとも32億円の広告費が投稿者や事業者に流入した可能性があると発表している。
民放連はこの調査を元に、プラットフォーム事業者や総務省に対し、対策を求める声明を出した。
調査はユーチューブの他、フェイスブック、ティックトック、Xを対象に、バラエティーやアニメなど25の民放番組について実施。このうちユーチューブでは、1万5千件超の違法動画の再生回数が約111億回に上った。違法動画で表示された広告は、飲料や食品、金融などの大手企業が含まれるという。
民放連はこうした違法動画は「氷山の一角」だと指摘。出演者や制作者などに正当な対価が還元されないと「コンテンツ制作の持続可能性が失われる」として、動画の削除や違法動画掲出の未然防止などを求めている。