
厚生労働省は、市販薬と成分や効能の似た「OTC類似薬」を処方された患者に追加負担を求める新制度の運用について、今夏にも有識者検討会で丁寧に議論する方針だ。子どもや難病患者など追加負担の対象外とすべき範囲の在り方や、追加負担を求める薬剤の線引きなどについて一定の基準を示す。
OTC類似薬とは、医師の処方箋がなくても買える市販薬である「OTC医薬品」と有効成分や効能などが似ている医療用医薬品を指す。
かねて「医療費が増大する中、市販薬で代替できる薬が保険適用で安く入手できるのは不公平だ」との意見が寄せられていたため、追加負担を求める新制度が今国会で審議中の健康保険などの改正案に盛り込まれた。
薬代の25%を保険適用外の特別料金として徴収し、残りは公的医療保険の適用で1~3割の自己負担となる。この結果、年900億円の医療費削減を見込んでいる。
保険適用外となる特別料金には10%の消費税がかかる見通しで、3割負担の人だと実質的な窓口負担は「5割」になる計算だ。ただし、子どもやがん・難病患者、低所得者、入院患者に加え、医師が長期治療で必要があると判断した医薬品などは追加負担の対象外とする。有識者検討会ではこうした要配慮者の範囲と運用がテーマとなる。
医師の中には、追加負担の対象外となる高額な薬をあえて処方するケースも懸念される。医療費削減に逆行する恐れがあるため、保険局幹部は「医師の判断にばらつきが生じないよう、国として一定の判断基準を示したい」と述べている。
厚労省が現時点で追加負担の候補とするOTC類似薬は、77成分約1100品目。解熱鎮痛剤『ロキソニン』や花粉症治療薬『アレグラ』など、身近な品目が多い。
ただ、これも医療関係者からは「昨年末の予算編成過程で、与党特に日本維新の会を中心に政治的に決められた」との不満が出ている。有識者会議ではこうした線引きも精査する。