DXのためのソリューションやクラウドサービス、ツールなどが一堂に会する展示会「Japan DX Week 2026」が4月8日から10日まで東京ビッグサイトで開催された。同展示会では、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」を提供するLangGeniusが出展し、製品のデモを行った。
Difyとは何ができるツール?AIエージェントアプリも開発可能
Difyは、ブロック型パーツを組み合わせることでAIアプリケーションを作成できるノーコード・ローコードツール。ノーコードでAIアプリを構築できるため、エンジニアに依存せず業務部門主導での開発が可能になる点も特徴だ。
オープンソースとして提供されており、さまざまな生成AIに対応し、話題のAIエージェントアプリも作成できる。その使い勝手から国内の大手メーカーやITサービス企業などで採用されている。
Difyを開発したLuyu Zhang氏は中国を離れてシリコンバレーでLangGeniusを2023年に設立。LangGenius(ラングジーニアス)日本法人は、2025年2月にDifyの開発·提供とセルフホスト版Enterpriseライセンスの販売を目的に設立された。
Difyは、クラウドサービスとセルフホストサービスの2つの形態で提供。クラウドサービスは、無料のSandbox、小規模開発チーム向けの有料版Professional、中規模チーム向けの有料版Teamが用意されている。セルフホストサービスでは、無料のCommunity、中規模組織向けの有料のPremium、高度な機能を必要とする有料のEnterpriseが用意されている。
アプリケーションの作成は、ビジュアルキャンバスといわれる、ワークスペース上で、ブロックパーツ状のモデルを組み合わせて、AIモデルを編成し、データソースを接続し、処理フローを定義することで、AIを活用するソフトウェアを作成できる。
DifyでAIアプリはどう作る?ビジュアル開発とRAG連携をデモで解説
ブースでは、指定した服装画像に合うコーディネートをRAGに登録した画像データからAIがピックアップして表示するアプリケーションのデモが行われていた。
Difyの開発は「ビジュアルキャンバス」と呼ばれるワークスペース上で行う。機能ごとに用意されたブロックをつなぎ合わせることで、処理の流れを定義し、アプリケーションを構築する仕組みだ。各ブロックに設定するアクションは、レコメンド形式のメニューから選択でき、専門的なコーディングを行わずに機能を追加できる。
ブロックには、「LLM」「知識検索」「回答」「エージェント」などの機能を指定できる。「エージェント」を指定することで、話題のエージェントAIアプリケーションも作成できる。ロジックでは、分岐やループ、標準入力などを指定、これらの機能を組み合わせてアプリケーションを開発できる。
また、デモでは用途に応じて生成AIモデルを切り替えながらアプリケーションを構築しており、画面右側のメニューから簡単に設定できる様子が紹介されていた。
さらに、「エージェント」ブロックを利用することで、複数の処理を組み合わせたエージェント型のAIアプリケーションも構築できる。
早速、作成した服飾コーディネイト検索AIアプリケーションにアウターの画像をコピーしチャットウィンドに張り付け、指示プロンプトを入力。AIがRAGに登録したデータからコーディネートの提案を行う。
Difyで使える生成AIは?ChatGPTやGemini、Claudeに対応
Difyでは、アプリケーション開発時に利用する生成AIモデルを自由に選択できる。対応するモデルは、OpenAIのChatGPTをはじめ、GoogleのGemini、AnthropicのClaudeなど主要な生成AIをカバーしており、用途や精度、コストに応じて使い分けることが可能だ。
これらの生成AIは「モデルプロバイダー」として事前に登録することで利用できるようになる。開発画面のサイドメニューから簡単に選択でき、アプリケーションごとに異なるモデルを設定することもできる。
また、同一アプリケーション内で複数のモデルを組み合わせて利用することも可能であり、例えば文章生成はChatGPT、検索補助は別モデルといった形で役割分担させることで、より高度なAIアプリケーションを構築できる。
このようにDifyは特定の生成AIに依存せず、複数モデルを柔軟に組み合わせられる点が特徴であり、企業におけるAI活用の自由度を高める設計となっている。
Difyは日本市場で普及するのか?パートナー戦略と導入状況
今回、LangGeniusの代表取締役 キジ・マルタン氏に、Difyの国内展開や今後の開発計画などを伺うことができた。同氏によれば、展示会の出展は今回で2回目で、前回と同様に日本の企業の生産向上につながるAIをテーマに出展を行ってきたという。
Difyについて、マルタン氏は「日本の大手メーカーやIT企業などで既に導入されており好評を得ている」と説明した。中でも飲食店のレビューや予約サイトを運営するIT企業で、従業員の作業負担の大幅に軽減することに成功したそうだ。
今回は大手企業だけでなく、多くの中堅中小企業を中心に製品をアピールすることを狙い出展したという。また、同社は戦略的パートナー企業としてNTTデータやAWS、パートナー企業としてNTT東日本、RICOH、CTCなどと提携しており、マルタン氏は、こうした企業の協力を得て地方公共団体などにもアプローチしていきたいと抱負を述べた。
また、日本には開発メンバーが7名おり、エンタープライズをメインとしているという。米国のシリコンバレーでは、37名程度がオープンソースのリード開発、13名が米国とシンガポールでUI/UX環境開発を行っているとのこと。
マルタン氏は、Difyの今後について「LLMの発展にあわせて企業向けに本当に役に立つ、価値がある必要な機能だけを厳選して導入していく」と明言、性能と安定性の2つを軸に、新機能を取り入れながらバランスよく開発を続けていく方針を示した。












