小型・高密度な絶縁型DC/DCモジュールが登場
Texas Instruments(TI)は3月23日(米国時間)、電気自動車(EV)およびデータセンターにおける電力密度を向上させる高性能絶縁型DC/DCモジュール2製品を発表した。これらの製品について3月25日、同社の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)が、同製品に関する説明会を開催、詳細な説明を行った。
いずれも同社の独自マルチチップ・パッケージング(MCP)ソリューションであり、高性能平面トランスと絶縁型パワーステージを共通パッケージ化することで、1チップで機能絶縁、基礎絶縁、強化絶縁のサポートを可能とした「IsoShield」技術を採用した点が特徴となっている。
高性能平面トランスと絶縁型パワーステージのほか、トポロジ制御関連の部品などを含め、いくつかの周辺部品をMCPとして1チップ内に収めつつ、制御方式の効率を向上させるなどの工夫により、ソリューションとして見た場合の部品点数の削減と、それに伴う部品発注先(サプライヤ)の低減を図ることを可能年、カスタマとしては1ストップソリューションとしての活用を可能としたものとなる。
小型・低背・高密度を重視しておりDC/DCコンバータソリューションとして見た場合、サイズを最大70%削減しつつ、最大3倍の電力密度を実現できるとする。また、前世代品(UCC15240)比で54%の小型化、競合ソリューションと比べた場合でも43%小さくできるほか、部品点数も50%削減できるとする。
-

平面トランスやMOSFETなど複数の部品をMCPとして1チップ化することで、部品点数の削減ができ、ソリューションとして必要となる部品の数を減らすことができるほか、基板サイズの小型化も図ることができるようになる
ターゲットはEV/データセンター
同社では、絶縁型DC/DCモジュールの有効活用分野として、EVとデータセンターを挙げている。そのため、発表された2製品もそれぞれの市場のニーズに合わせた性能を有したものとなっている。1つ目は、EV向けとしてSiCとIGBTの各絶縁型ゲートドライバへの電力供給を目的として設計された「UCC34141-Q1」で、パッケージサイズは5.85mm×7.5mm×2.6mm(16ピンのワイドボディSOICパッケージ)、入力電圧範囲が5.5V~28V(過電圧ロックアウト:OVLO使用)で、出力電圧が15V~20Vほど。AEC-Q100認証済みで、絶縁認証であるDIN EN IEC 60747-17 (VDE 0884-17)に準拠した強化絶縁ならびにUL 1577 / CSA 部品認定プログラムの取得も予定しているという。
これにより、例えば、EVでは航続距離の延伸や充電時間の短縮に向けてコンパクトかつ強力なモータ制御に対するニーズに応えることができるようになると同社では説明している。
2つ目は、データセンター向けとして1.5 Wの絶縁出力電力を供給するように設計された「UCC33420」で、パッケージサイズは4mm×5mm×1mm(VSON-12パッケージ)、入力電圧範囲が4.5V~5.5Vで、安定化出力電圧として5.0Vおよび5.5Vを選択することが可能となっている。
同社では、現在、NVIDIAと次世代AIデータセンターの実現に向けて協業を進めており、こうした技術を活用することで、安全性と信頼性基準を維持しながら効率の向上に取り組んでいるとしているほか、3月22日~26日(米国時間)にかけてテキサス州サンアントニオで開催されているパワーエレクトロニクス応用に関する国際会議・展示会である「APEC 2026」にも、IsoShield技術を採用した絶縁型電源モジュールとして、車載用SiC 300kWトラクションインバータのリファレンスデザインを展示しているという。
なお、UCC34141-Q1は現在、量産開始前の数量対応での出荷を開始しているほか、UCC33420は量産対応済みでの出荷対応が可能だとしており、いずれについても評価モジュールも提供済みだとしている。





