imecのNanoICパイロットライン向け拡張領域に高NA EUV露光装置が搬入
ベルギーimecは3月18日、同社本社キャンパスの300mmウェハを用いた研究開発クリーンルーム「Fab 3」のNanoICパイロットライン向け拡張領域にASMLの高NA(開口数NA=0.55)EUV露光装置の最新量産モデル「EXE:5200」が搬入されたことを発表したのと併せて、地元メディアに装置搬入の模様を公開した。
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高NA EUV露光装置搬入に関する記者会見に臨むベルギーimecのルーク・ファン・デン・ホヴCEO(右)とASMLの高NA EUVリソグラフィ事業責任者のピーター・ファノッペン氏(左) (出所:3月18日のimec本社で開催された記者会見の模様を著者がスクリーンショットしたもの)
imecとASMLは2024年6月、オランダのASML本社キャンパス内に「imec-ASML High-NA lithography Lab」を設置して、高NA EUV露光装置の試作機である「EXE:5000」を用いる形でレジストメーカーや計測器メーカーなどと協業して2nm以下の露光プロセス開発を行ってきたが、その成果がimecのクリーンルームで結実することになる。
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imecの300mmクリーンルームに搬入された高NA EUV露光装置の中核モジュールを前に行われた記念撮影。imecのルーク・ファンデンホブ氏を中央に、ASMLやベルギー・フランダース政府要人らが参加 (出所:imec)
imecのFab 3にて2nm以下の微細デバイスの試作受託が可能に
欧州CHIPS法に基づき欧州の大学や企業に2nm以降の微細プロセスに対する試作サービスを提供するNanoICプロジェクトは、すでに2nmと1.4nmのデバイス設計に必要なプロセス・デザイン・キット(PDK)をリリース済みである。そのため、今回搬入された最新EUV露光装置が立ち上がれば、EUの大学、研究機関や企業に向けて、imecの300mmクリーンルーム(Fab 3)にて、いよいよ2nmおよび1.4nmプロセスを用いたデバイスの試作受託が可能となる。
imecは、今回搬入したEXE:5200システムが2026年第4四半期までに認証を取得できると見込んでいるが、その間もASML-imec High-NA EUV Lithography Labの稼働は継続させ、imecおよびそのエコシステムパートナーによる高NA EUVに対する研究開発活動を継続するという。
高NA EUVは欧州が先端半導体研究開発のリーダーの地位を強化するためのツール
imecのCEOを務めるルーク・ファン・デン・ホヴ氏は、「ベルギーのルーヴェンにあるimecの300mmクリーンルームにEXE:5200システムを導入することで、次世代の高NA EUVパターニングの多数のユースケースを開発することを目指す。比類なき解像度、向上したオーバーレイ性能、高スループット、そしてプロセスの安定性とスループットを向上させる新しいツールにより、研究開発パートナーはサブ2nmチップ技術の開発を加速する上で決定的な優位性を得られるだろう。業界がオングストローム時代に突入する中で、高NA EUVは、超微細化の基盤となり、imecはパートナーにこの技術への最も早期かつ包括的なアクセスを提供することで先導できることを誇りに思っている」と述べている。
さらに同氏は、「今回の最先端EUV露光装置の導入はimecがEU(Chips Joint EnttakekingおよびIPCEI)、ベルギー・フランダース政府、オランダ政府の支援を受けたASMLとの5年間の戦略的パートナーシップの一環である。EUが資金を提供するNanoICパイロットラインの不可欠な一部として、このツールは今後数十年にわたり欧州が先端半導体研究開発のリーダーとして地位を強化する上で重要な役割を果たすだろう」と述べている。
なお、Chips Joint Enttakeking(CHIPS共同事業体)は、欧州の半導体エコシステムにおける研究開発および製造能力を支援する官民連携組織、IPCEIはEU加盟国が参画している欧州共通利益重要プロジェクトであり、EUからの金銭的支援は、これらの組織を通して行われている。


