電動化やインテリジェント化が進展するクルマの次世代技術が一堂に会する展示会「第18回 オートモーティブ ワールド -クルマの先端技術 展-(オートモーティブワールド 2026)」が1月21日から23日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている。
STMicroelectronicsの日本法人であるSTマイクロエレクトロニクスは、同展にて48Vへの取り組みやSiC/GaNといった次世代パワー半導体の活用、グローバルシャッターを特徴とするCMOSイメージセンサの活用などの提案を行っている。
電源の48V化に対する幅広いニーズへの対応を推進
現在、自動車メーカーがハイブリッド化/電動化を推進する中の1つのトレンドとして、電動化における必要な電圧の高電圧化がある。中でも12V/24V動作から48V化することで必要とする電流量を減らせ、バッテリ容量やワイヤハーネスの使用量を削減できることもあり、その活用ニーズが高まりを見せている。
すでにTeslaはサイバートラックで車両電源を48V系に移行を公言しているが、海外メディアによると、Vishay、Analog Devices、STMicroelectronicsなどのメーカーの半導体デバイスを活用して実現している模様であり、同社ブースでもそうした取り組みを踏まえたと思われる各種48Vソリューションの展示が行われていた。
中には、高電圧動作可能な車載機器に対する電圧変動への耐性を備えたことを示す規格であるISO 21780に対応したソリューションも紹介されていたほか、同社ブース担当者によると次世代の安全規格であるISO 25769に対応する半導体デバイスやソリューションの開発も進めており、さまざまな自動車OEMやティア1メーカーからのニーズに応じたソリューションを提供する体制が整っていることを強調していた。
世界2拠点で8インチベースのSiCパワー半導体製造を推進
また、同社ブースでは次世代パワー半導体であるSiCおよびGaNを活用したソリューションの提案も行っている。同社はイタリアのカターニャにSiCのインゴット、8インチウェハ、前工程、後工程の一貫製造拠点を有しているほか、中国向けには三安光電と合弁会社を設立し、重慶にて量産を行っている。
さらにGaNについても中Innoscienceと共同開発契約を締結、互いの欧州および中国の製造拠点を活用する取り組みを進めている。
同社は2024年より、第4世代のSiCパワーMOSFETの量産を開始。ブースではSiCとIGBTを同時活用を可能としたSTPAKベースのハイブリット構成による低コストなトラクション・インバータのリファレンスが紹介されていた。
これは、パッケージ内にSiCを1つ、IGBTを3つ搭載し、走行プロファイルに応じてSiCとIGBTの駆動を切り替えることで、スイッチングロスの最適化を図ることを可能としたゲートドライバで、できる限り損失を抑えつつ、コストの削減も可能としたというもの。ブース担当者によるとIGBTのインバータモジュールの損失が100%のところ、自社でのテストで49%まで低減できることを確認したとのことで、コストと損失低減の両立を図りたい際の有効手段として期待できるとしていた。
一方のGaNについては、Innoscienceとの協業の成果の1つとして、500kHzという高周波のスイッチング周波数を使用することで、7kW定格ながら外付け部品点数を限りなく少なくした800Vならびに400Vの絶縁型DC/DCコンバータが紹介されていた。
欧州のDMS規制への対応を可能とするイメージセンサ
このほか、同社では2024年7月以降の欧州(EU)における一般安全規則(GSR II)により、新車におけるドライバーの居眠りやわき見運転防止を目的としたドライバー・モニタリング・システム(DMS)の搭載義務化を受けて、すでに欧州での採用実績のあるグローバルシャッター方式を採用した1.5MピクセルのNIR(近赤外線)-CMOSイメージセンサ「VB56G4A」を活用したDMSデモが体験できるようになっている。
940nmの近赤外波長における量子効率(QE)は24%、線形ダイナミックレンジは最大60dBとしているほか、ピクセルサイズを2.6μmとしたことで、カメラの小型化も可能だという。
また、併せてローリングシャッター方式とグローバルシャッター方式を兼ね備えたアーキテクチャを採用した5.1MピクセルRGB-NIRイメージセンサ「VD1940/VB1940」のデモも行っている様子を見ることもできる。
こちらはピクセルサイズ2.25μmにてRGBおよびNIRを4×4のアレイで形成し、フィルターなどを用いないでRGBもしくはNIRの画像を独立した状態で露光することを可能としたもの。5.1Mピクセルという高解像度と高画質により、搭乗者1人だけでなく、設置場所によるが後部座席含めて搭乗者全員を認識することも可能で、NIRによるDMSのみならず、RGBによる人物や物体検知などによる子供や荷物の置き忘れ検知や不意の侵入者検知などさまざまなニーズに対応することが可能だとしていた。








