UiPathは10月16日、エージェンティックオートメーションを支える新製品・新機能を発表した。ローコードによるAIエージェントの構築・評価・公開ツール「Agent Builder」において機能拡張が行われたほか、自動化を促進する製品として、「UiPath Screenplay」「API Workflows」が発表された。
「Agent Builder」の機能拡張
「Agent Builder」は現在、AIエージェントとして自律型エージェントを構築可能だが、会話型エージェントがパブリックプレビューとして公開された。前者は特定のタスクを完了するために独立して動作するエージェントで、後者はリアルタイムの会話を通じてユーザーと対話するアシスタントとなる。
会話型エージェントは複数回の対話に対応し、ナレッジ、ツール、人によるエスカレーションを活用し、自然で文脈を理解した対話を実現する。Microsoft Teams、Slack、Copilotに連携範囲が拡大し、音声、デスクトップトリガー、人間への引き継ぎにも新たに対応した。
また、開発者向けのエージェントとして、Coded Agentsが発表された。同エージェントは、LangChainやLlamaIndexなどのオープンなフレームワーク上に構築し、特定ベンダーに依存しない柔軟なスタックを実現する。外部サービスへの接続が可能なMCPプラグインをサポートし、ガードレールで保護する。
プロダクトマーケティング部 部長 夏目健氏は、Coded Agentsにより、プロコード開発に対しても、ローコード開発に提供しているテスト・評価・ガードレールの適用が可能になり、UiPathのプラットフォーム上でローコードとプロコードの開発を運用できると説明した。
自動化を促進する「API Workflows」「UiPath Screenplay」
自動化を拡張・進化させる新製品として、「API Workflows」「UiPath Screenplay」が発表された。
API Workflows
API WorkflowsはAPIの自動化を実現するツールで、11月にリリースが予定されている。
具体的には、RPA、API、エージェンティックワークフローといった異なる自動化を単一のプラットフォームでオーケストレーションする。また、複雑なAPI連携やデータ操作ロジックを、エージェント・ロボットから呼び出し可能なサービスとして実装する。
夏目氏は「これまでロボットがオーバーヘッドだったが、API Workflowsは自動化のテクノロジーを組み合わせてAPIのフローの自動に最適化されている」と説明した。
UiPath ScreenPlay
UiPath ScreenPlayは旧名称がAgentic UI Automationで、AIによりRPAを強化するための製品。タスクを自然言語で説明するだけで、ScreenPlayが対象のアプリでそのタスクを自動実行する。
LAM(Language Action Models)とUiPath RPAを組み合わせ、複雑なシナリオにも対応するほか、コンテキストに適応し、アプリが変化してもスムーズに自動化を継続する。
OpenAI、NVIDIA、Google Cloud、Snowflakeと協業
ITベンダー各社はAIソリューションの提供に伴い、他社との連携を活発化させているが、Uipathも同様だ。今回、米国で9月30日に発表されたエージェンティックオートメーションに関する連携が紹介された。
以下のように、OpenAI、NVIDIA、Google Cloud、Snowflakeと協業を行う。
OpenAI
協業により、OpenAIのモデルをUipathユーザーのワークフローと統合するChatGPTコネクタを開発する。両社は共同で、エージェンティックオートメーションにおけるコンピュータ・ユース・モデルの活用に関するベンチマークを作成している。新しいベンチマークにより、AIモデルがコンピューターシステムとどのように連携するかを簡単に評価・比較できるようになる。
NVIDIA
NVIDIAとの協業により、機密性の高いワークフロー向けに信頼性の高いエージェンティックオートメーションを提供する。UiPathのエージェンティックオートメーションとNVIDIAのオープンNemotronモデルをNVIDIA NIMと組み合わせることで、ユーザーは自然言語処理、画像認識、予測分析などのAIモデルをマイクロサービスとして展開できるようになる。協業の一環として、UiPathとNVIDIA NIM およびNVIDIA Nemotronを接続するIntegration Service Connectorが導入される。
Google Cloud
Google Geminiのモデルを活用して音声対話が可能になったUiPath Conversational Agentをリリースした。Google CloudのVertex AIプラットフォームを活用することで、UiPathは自然言語の音声を通じて自動化を起動し、構築し、管理できるようになる。
Snowflake
Snowflakeと協業し、UiPath Platform™ for agentic automationとSnowflake Cortex AIが統合することを発表した。この統合はUiPath Maestroの機能を拡張し、ユーザーはSnowflake内の構造化データおよび非構造化データから得られるインサイトに直接作用する、新しい種類の強力なデータエージェントをオーケストレーションできるようになる。



