Bleeping Computerは10月8日(米国時間)、「Qilin ransomware claims Asahi brewery attack, leaks data」において、ランサムウェアグループ「Qilin」がアサヒグループホールディングスへのサイバー攻撃を主張したと報じた。

  • Qilin ransomware claims Asahi brewery attack、leaks data

    Qilin ransomware claims Asahi brewery attack, leaks data

ランサムウェアグループ「Qilin」の主張

Bleeping Computerによると、ランサムウェアグループ「Qilin」はデータ漏洩サイトにてアサヒグループHDへの攻撃を主張したという。Qilinの主張によると、窃取したデータは合計27GB、含まれるファイル数は9,323件とされる。Qilinは、その証拠として内部財務文書、従業員ID、機密契約書、内部報告書などの画像29枚を公開した。

  • Qilinが公開したデータ漏洩サイト - 引用:Bleeping Computer

    Qilinが公開したデータ漏洩サイト 引用:Bleeping Computer

Bleeping Computerは先般、ランサムウェアグループの発表を確認できないことから身代金を支払った可能性を指摘していたが、今回の発表を受けてこの推測を撤回した。Qilinは身代金交渉に失敗したことでデータ漏洩サイトを公開した可能性があると、新たな推測を伝えている。

Qilinが「損失は最大3億3,500万ドル」と予想

なお、Qilinはデータ漏洩サイトにてアサヒグループHDの業績予想を発表している。サイバー攻撃の余波は国内に留まらず世界的に広がり、6つの醸造所の停止および30の事業所に影響。10月末までに混乱を収束できない場合、第4四半期の営業利益は国内で83%、全世界で38%下方修正することになり、損失は2億ドルから3億3,500万ドルに及ぶとしている。

この業績予想の信ぴょう性は定かではないが、同社は受注・出荷を含めた業務の停滞を明らかにしており、業績への悪影響は避けて通れない状況となっている。ただし、主力ビールの「スーパードライ」に関しては、手動注文システムの稼働開始により生産を再開。また、10月15日から複数の製品出荷を予定していることが伝えられている。