NTTドコモビジネス(旧 NTTコミュニケーションズ)とミライセンスは10月8日、遠隔でのリハビリテーションやトレーニング支援を実現する「未来のヘルス&ウェルネスケアステーション」のプロトタイプを公開した。
10月9日~10日にザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区)で開催される「NTT docomo Business Forum'25」では、視覚・聴覚・触覚を遅延なく伝送する技術のコンセプトを「FURELIA」として、遠隔地にいるトレーナーがまるで隣で体を支えて誘導しているかのように、リハビリテーションやトレーニングを支援するデモを披露する。
取り組みの背景
2025年は全人口のおよそ5人に1人が75歳以上になるなど、急速な高齢化が深刻となっている。その一方で、医療や福祉現場の人手不足や、福祉サービスの充実度における地域格差も課題だ。
また、社会保障費の増大が懸念される中で、心身ともに自立し健康的に生活できる期間である「健康寿命」が重要視されるようになった。健康増進のために、人手や場所にとらわれずに高齢者が医療・福祉サポートを受けられる環境が必要とされる。
こうした状況の中、音声や映像だけのコミュニケーションでは実現できない解決の一助として、3DHapticsによる錯触力覚を活用した動作のサポートや、振動触覚を用いたリズムの伝達といった感覚情報を遠隔地にリアルタイムに伝送する技術により、リハビリテーションやトレーニング指導の実現が期待できる。
今回開発されたソリューションは、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を支えるAPN(All-Photonics Network)の低遅延性と、3DHapticsの錯触力覚、バイブロスケープの振動触覚などを活用する。
3DHapticsとは、振動パターンの組み合わせにより、力覚・圧覚・触覚を伝達して豊かな感触を遠隔地でも表現する技術。
遠隔地でのリハビリテーション支援をデモで体験
今回の実証では、IOWN APNと、大型モニターを備えるコミュニケーションツール「OPEN HUB Window」、3DHapticsデバイス「echorb」、足踏みのリズムを振動で伝える「バイブロスケープ」などを用いて、遠隔地にいるトレーナーが体験者にリハビリテーションやトレーニングの指導体験を実施する。
IOWN APNの超低遅延かつ揺らぎのない通信を活用することで、触覚情報をリアルタイムに伝送可能とし、違和感なく複数の感覚情報を自然に同期して送受信できるようになる。これにより、遠隔地にいるトレーナーがあたかも隣で体の動作をサポートしているかのような臨場感のある運動体験を実現する。
具体的には、3DHapticsデバイス「echorb」を体験者が持つことで、両手を広げた肩甲骨のストレッチや前屈をサポートする。まるでトレーナーが実際に両手を取って肩甲骨を広げたり、前屈の伸びをサポートしたりする様子を体験可能だ。
また、バイブロスケープを活用して、トレーナーのリズムと手の動きに合わせた足踏み運動も体験できる、トレーナーの足踏みの振動リズムをリアルタイムに感じながら、手の動きも誘導されることで、遠く離れていても一緒に臨場感ある運動を実現する。





