HashiCorpはこのほど、IBM傘下として初の開催となるグローバルカンファレンス「HashiConf 2025」において、エージェント型インフラストラクチャの基盤となる「Project infragraph」のプレビューを発表した。

IaC(Infrastructure as Code)とIDベースのセキュリティは、一般的にはクラウドプログラムの基礎となる手法だったが、組織のAI運用が進むにつれて複雑性が増し、インフラにはこれまで以上に高度なインテリジェンス、統合性、自律的な運用が求められるようになっているという。

現在、多くの企業ではインフラとセキュリティを統合的に記録するシステムがないため、断片的にしか可視化が進まず、コンテキストを把握することが難しく、システム導入後の運用(Day 2)に支障をきたす可能性があると指摘。

Project infragraphの概要

Project infragraphは、インフラ、アプリケーション、サービス、オーナーシップを繋ぐリアルタイムのグラフとして、これらの課題の解決を図るとのこと。リアルタイムに近い関係性の可視化として、ワークフローのプロビジョニングから本番環境まで、各チームがインフラのレイヤ全体にわたり重要なデータにアクセスする方法を効率化する。

また、アプリケーションの関係性、チームのオーナーシップ、構成のコンテキストを明確化し、各チームのより迅速な意思決定を支援することで、プラットフォームチームとインフラチーム向けにカスタマイズされたインサイトを提供。

さらに、インフラコンテキストへの柔軟なアクセスとして、統合ビューのもとでポリシーを正確に適用できることに加え、インフラの状況をふまえて、将来的な是正、最適化、計画業務のワークフローを支援しつつ、AIを組織に拡張する準備を進められることから、エージェント型ワークフローへの対応を可能としている。

  • 「Project infragraph」の概要

    「Project infragraph」の概要

Project infragraphは「HashiCorp Cloud Platform」(HCP)内の機能として提供を予定し、将来的にはHCPを拡張して「Red Hat Ansible」や「同OpenShift」「IBM watsonx Orchestrate」「IBM Concert」「Turbonomic」「Cloudability」といった、IBMのソフトウェアポートフォリオとの連携も計画している。

これにより、インフラ、セキュリティ、アプリケーションを、一貫したデータモデルとポリシーモデルのもとで統合できるようになるという。現在、Project infragraphのプライベートベータプログラム(2025年12月開始予定)の参加者を募集している。