日米貿易協定実施の大統領令にトランプ大統領が署名
米国のトランプ大統領が9月4日(米国時間)、日本との日米貿易協定に基づく貿易合意を実施する大統領令に署名した。これにより、米国は日本への関税を15%に引き下げるとともに、日本から輸入する自動車に対する関税を既存の関税率を合わせて15%とすることとなるが、そのほか、今回の明文化された合意内容として、日本が5500億ドル(約81兆7000億円)規模の米国に向けた投資基金を創設する約束も含まれていることに注意する必要がある。
この大統領令に関するホワイトハウスの発表文には、「極めて重要なのは、米国の歴史上、他のいかなる協定とも異なり、日本政府が米国に5500億ドルの投資を行うことに合意したことである。これらの投資は米国政府によって選定されるが、数十万人の米国人の雇用を創出し、国内製造業を拡大し、何世代にもわたる米国の繁栄を確かなものにするだろう」と記されている。この投資方法について、投資先は米国大統領が選定し、日本側が指定された口座にドル建ての即時利用可能な資金を拠出するものになるとも言われている。
投資対象は米国での半導体製造などを想定
米ラトニック商務長官は署名式で「日本が5500億ドルを大統領に委ね、米国の国家安全保障および経済安全保障のインフラに投資するという点で、これは歴史的な出来事だ」と語っている。同氏は以前、米FOXテレビのインタビューで「例えば、トランプ大統領が米国での半導体工場建設に1000億ドルの投資を決めた場合、日本側がその全額を負担し、その事業から生じる利益の9割は米国、1割は日本に分配する」と述べていた。
ロイターによると、今回の覚書の要点として、経済・国家安全保障上の利益促進に向けて、半導体、医薬品、金属、重要鉱物、造船、エネルギー、人工知能(AI)/量子コンピューティングを含むさまざまな分野に対して日本が米国に5500億ドルを投資するとしており、期間は2029年1月19日までだとしている。
日本が投資資金を提供しないという選択も可能だという話もあるが、その決定の前に米国との協議が必要とも言われており、その交渉は難航することが予想される。また、今回明文化された日本による5500億ドルの投資については、誰がどのような形でどこから捻出するのか、といったことは不透明で、今後、国会などで大きな問題として取り上げられる可能性があると思われる。
