富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は5月16日、AIサービスの開発と提供の加速を目的とし、アマゾン ウェブ サービス ジャパンとAI開発プラットフォームの構築などにおける連携に向けた協議を開始する覚書を締結したことを発表した。
同社はアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)が提供するクラウドサービスを活用して、独自のAI開発プラットフォームの構築を進める。さらに、AIサービスのビジネス成長に向け、AI人材の育成強化とグローバル市場への展開も推進する。
協議の背景
AI技術はビジネスや社会のさまざまな領域での活用が進められる一方で、AIの利活用においては、企業や組織によって享受できる恩恵に格差が生じる「AIデバイド」が課題とされる。
富士フイルムビジネスイノベーションは「AIデバイド」の解消を目指し、企業内に蓄積されたデータを活用し、企業のビジネス成長に貢献するAIサービスの開発に取り組んでいるという。この取り組みをさらに加速させ、よりスピーディなAIサービスの開発と提供を実現するため、同社はグローバルでクラウドサービスを提供するAWSとの連携に向けた協議を開始したとのことだ。
協議の内容
富士フイルムビジネスイノベーションは、AWSのクラウドサービスで提供されるAIおよびML(機械学習)のサービス群を活用し、開発者が迅速かつ効率的にAIサービスを開発できるAI開発プラットフォームを構築する。これにより、開発者がAWSクラウド上に構築するAI開発プラットフォームを利用することで、これまで個別に行っていた開発環境の運用業務から解放されAIサービスの企画と開発に集中できるようになるという。
また、AI技術を活用した商品やサービスの開発をリードする人材の育成を目的に、新たな教育プログラムを始動する。このプログラムは富士フイルムビジネスイノベーションの開発者やサービス企画担当者、現場のシステムエンジニアなどを対象とし、AIサービスの企画・開発力とサービス構築力の強化を目的とする。
さらには、最新のAI技術を活用できる実践的なトレーニング環境や、新しいAIサービスの企画を迅速化するためのカリキュラムの採用も検討を進める。このプログラムにおいては、AWSの支援のもとでAWSが提供する最新のAI技術に関するトレーニング受講や認定資格取得なども推進する。
将来的には、国内市場だけでなくアジアパシフィックや欧米市場へのAIサービス展開を見据え、同社はAWSパートナーが提供するソリューションを検索・試用・購入・管理ができるデジタルストア「AWS Marketplace」を活用したAI商品・サービスの提供についても協議を進める。