Anthropicは3月20日(現地時間)、AIチャットボット「Claude」にWeb検索機能を追加した。これにより、ClaudeはWebから最新の情報を取得し、より正確でタイムリーな回答を提供できる。まず米国において、有料プラン「Claude Pro」でプレビュー提供を開始し、さらに無料ユーザーや他の国・地域にも展開する予定である。
Web検索を利用するには、設定の「プロファイル」内にある機能プレビューで「Web Search」を有効にする。Web検索はClaude 3.7 Sonnetを使用している場合のみ利用可能であり、ユーザーとの対話の中で最新情報が必要な場合に、ClaudeがWeb検索を提案する。
対話型生成AIによる検索は、Perplexityが先行して市場を開拓し、OpenAIもChatGPTに導入している。それらに対し、Anthropicはこれまで、安全性、信頼性、予測可能性の確保を重視し、リアルタイムのWebアクセスを行わない「自己完結型」の設計を維持してきた。しかし、AI検索を求めるユーザーの増加と関心の高まりを受け、方針転換を余儀なくされた可能性が高い。
ClaudeのWeb検索は対話形式で進行する。例えば、「LAドジャースの2025年シーズン開幕戦の結果は?」といったWeb検索が明確に有用かつ安全な場合は、Claudeが自動的にWeb検索を実行する。一方で、検索の適切性が問われる場合、例えば、最新の情報が必ずしも必要ではない場合や、非常に専門的または詳細な情報が求められている場合、正確性が特に重要な質問などに対しては、ClaudeがWeb検索の実行可否をユーザーに確認する。安全性と正確性、ユーザーによるコントロールに配慮した設計となっている。
Web検索の結果を活用した回答には、情報源へのリンクが含まれ、ユーザーはワンクリックでソースを確認できる。
Anthropicは、ClaudeのWeb検索機能の活用例として以下のようなユースケースを紹介している。
- 営業チーム: 市場動向を分析し、顧客との商談に役立つ情報を提供。
- 金融アナリスト: 最新の市場データを基に、投資判断の精度を向上。
- 研究者: 学術論文や研究資料を横断的に検索し、未研究の課題や知識のギャップを特定。文献レビューや助成金申請に活用。
- 消費者: 商品のレビューや価格を比較し、より多くの情報に基づいた購買決定を行う。