Samsung Electronicsが2024年第4四半期と通年売上高を発表した。
それによると同四半期の全社売上高は前四半期比4.2%減、前年同期比11.8%増の75兆8000億ウォン、営業利益は前四半期比29%減、前年同期比132%増の6兆5000億ウォンとなり、通期売上高は前年比16%増の300兆9000億ウォンと過去2番目に高い金額を記録、営業利益は同395%増の32兆7000億ウォンとなった。
また、2024年通年の設備投資額は53兆6000億ウォンで、そのうち半導体事業を担当するDevice Solutions(DS)部門に46兆3000億ウォン、ディスプレイ子会社のSamsung Display(SDC)に4兆8000億ウォンとしている。第4四半期の金額は17兆8000億ウォンで、その内DS部門が16兆ウォン、SDCが1兆ウォンとしている。
DS部門の通年売上高は過去最高も営業利益率は伸び悩み
DS部門の2024年第4四半期業績は、売上高が前四半期比3%増、前年同期比39%増の30兆1000億ウォン、営業利益が前四半期比44%減の2兆9000億ウォン(前年同期は2兆2000億ウォンの赤字)と市場予測を下回ったほか、営業利益率は9.6%と低迷した。
また、通期売上高はメモリの市況回復もあり前年比67%増の111兆1000億ウォンと過去最高を記録。営業損失は前年の14兆9000億ウォンの損失から15兆1000億ウォンの黒字転換を果たしたが、営業利益率は13.6%と低迷している。
そのメモリ事業の同四半期売上高は、HBMなどの高付加価値品の販売増により23兆ウォンと過去最高を記録したが、研究開発費の増加や先端プロセスの生産能力確保に向けた費用の増加により、営業利益は前四半期比で若干減少した。
DRAMについては、10nmプロセスへの移行を加速し、DDR5とLPPDR5xの出荷シェア拡大を目指す。NANDについては、V6からV8への技術移行を進めるとともに、V7 QLCベースのサーバSSDの販売を拡大するとしているが、同社では、2025年第1四半期はメモリ市場全体の需要が軟調に推移し、回復は第2四半期以降と予想している。
また、システムLSI事業についてはモバイル需要の低迷と先端向け研究開発費の増加により利益が減少した。2025年第1四半期も主力SoCへの参入遅れによる収益低迷が予想されるが、スマートフォン(スマホ)向けイメージセンサやDDIなどのコア製品需要が増加するとも予想している。
そしてSamsung Foundryの利益は、稼働率の低下と研究開発費の増加により減少したとするが、2nm GAAプロセスの製品設計用デザインキット(DK)がすでに顧客に配布済みとするほか、4nmプロセスが安定した歩留まりでHPC製品の量産を進めているとする。2025年については、2nm GAAの増強と安定化を進めることで受注確保を進めるとともに、モバイルやHPCの需要拡大に向けて4nmプロセスと設計インフラの強化を図っていくとする。
なお、2025年第1四半期の全社の動きとしては、半導体事業に弱さがある一方、差別化されたAI体験を備えたスマホやデバイスエクスペリエンス(DX)部門のプレミアム製品の販売増により成長を目指すとしている。