ロームは11月19日、同社の汎用チップ抵抗器「MCRシリーズ」の新たなラインアップとして、アプリケーションの小型化と高性能化を実現する「MCRxシリーズ」を追加したことを発表した。
同シリーズとしては、高電力タイプの「MCRSシリーズ」と低抵抗・高電力タイプの「MCRLシリーズ」が用意されており、MCRSシリーズは、素子内部構造の最適化や新材料の採用により、定格電力と温度特性(抵抗温度係数 TCR)を向上させ、従来品比でワンサイズ小型化しての使用を可能としたする。1005サイズから6432サイズまでのラインアップ展開が図られており、実装スペースに応じた最適な製品を選択できることから、コンパクトかつ効率的な回路設計が可能となるため、設計の自由度の向上を図ることができるようになるとしている。
一方のMCRLシリーズは、MCRSシリーズの低抵抗タイプで、2012サイズから6432サイズまでをラインアップ。同社では電流検出用途に最適だとしている。
また、2シリーズともに、車載信頼性規格「AEC-Q200」に準拠しており、自動車市場での電動車両(xEV)3の普及に伴う需要増加に対応するほか、基地局やサーバなどの通信インフラ、FA機器などの市場拡大にも対応可能だとする。加えて、長期安定供給対象品として産業機器など寿命の長いアプリケーションでの継続的な使用も可能だともしている。
今後の展開として、MCRSシリーズでは、+155℃に対応した小型0603サイズ品の開発を予定しているとするほか、第3のシリーズとなる「MCREシリーズ」として、完全鉛フリータイプでよりコンパクトな0402サイズ品の供給も開始する予定で、こうした新製品の提供により、さらなる小型化へのニーズや環境志向による自主規制や輸出制限などへの対応強化を図っていくとする。
なお、MCRxシリーズは月産10億個の体制で順次供給を開始していき、市場の需要に応じて生産能力の拡充も進めていく予定だという。単価については、MCRLシリーズの6432品「MCR100L」でサンプル価格120円(税別)としている。