ロームは11月12日、パッケージ表面に沿った端子間の沿面距離を伸長して絶縁耐性を高めた、表面実装タイプのSiCショットキーバリアダイオード(SBD)を開発したことを発表した。
普及が進む電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)などの電動車(xEV)に搭載されるオンボードチャージャー(OBC)など車載機器などでは高性能なパワー半導体が不可欠であり、発熱が少なく高速スイッチング性能と高耐圧性能を兼ね備えるSiC SBDに対するニーズが高まっており、中でも小型かつマウンターで実装可能な表面実装パッケージの製品は、アプリケーションの生産性向上につながることから高い需要があるという。しかし、高電圧の印可などによるトラッキングが生じやすいことから、より長い沿面距離を確保したデバイスの実用化が求められていたという。
今回開発されたSiC SBDは従来のパッケージ下部にあったセンターピンを取り除き、独自の形状を採用したロームオリジナルのパッケージとすることで、沿面距離を一般品の約1.3倍となる最小5.1mmに伸長することに成功。これにより、端子間のトラッキング(沿面放電)を抑制できるようになり、高電圧アプリケーションにおいて基板へデバイスを表面実装する際、樹脂ポッティングによる絶縁処理を不要にできるようになったとする。