TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANデジタルは9月11日、流通・小売店舗向けに、ICタグを活用した「スマートシェルフ管理システム」を開発したことを発表した。

ICタグを活用したスマートシェルフの商品ID・店頭機器・配信コンテンツの一元管理を実現し、複数店舗の商品管理や販促用配信コンテンツの切り替えなどが容易になる。なお2025年4月より本格提供を開始する予定で、価格は1式50万円~。

  • 「スマートシェルフ管理システム」のイメージ

    「スマートシェルフ管理システム」のイメージ

開発の背景

スマートシェルフは、消費者が棚からICタグ付き商品を手に取ると、棚上のアンテナにより商品が取られたことが認識され、商品の個別情報を自動認識できるシステム。

流通・小売業界では物流在庫管理用途でICタグを活用したスマートシェルフの導入が進められてきたものの、昨今では消費者体験の向上を目的に、店頭における消費者行動に基づいた商品情報の取得や関連コンテンツ配信など商品の販促用途での導入ニーズが高まっている。

2020年からTOPPANは、流通・小売業界を中心とした商品の販促活動の一環としてスマートシェルフの販売・提供を開始し、導入企業に合わせた筐体の開発やコンテンツの配信、マーケティング戦略の支援などを行ってきた。

しかし、現在販売・提供しているスマートシェルフの主流は個々に配信データを登録管理する必要のあるスタンドアロン型であり、多店舗展開を行う流通・小売り店舗など、台数や導入店舗が増えるほど、運用更新の手間が増えていくのが課題となっていた。

この課題に対し、スマートシェルフの商品ID・店頭機器・配信コンテンツを複数店舗で一元管理可能な「スマートシェルフ管理システム」を開発。同システムの提供を通じて、スマートシェルフを活用した販促活動の支援をより推進していくという。

「スマートシェルフ管理システム」の特徴

これまでのスマートシェルフでは、個々に配信データを登録管理する必要があったが、同システムにより商品ID・店頭機器・配信コンテンツの一元管理が可能になる。1店舗・1セットでの簡易導入だけでなく、複数店舗・複数セットでの本格導入にも対応可能で、複数拠点の商品ID管理や販促用配信コンテンツの切り替えなどが容易になるという。

また、スマートシェルフでは消費者がICタグ付き商品を手に取ると、棚上のアンテナにより商品が取られたことが認識され、商品の個別情報がデジタルサイネージ上に表示される。

同システムは、スマートシェルフのICタグからの情報に基づき、消費者が商品を手に取った回数や日時のデータを収集・可視化し、管理システムにて集約。商品ごとのデータを管理画面からリアルタイムで確認が可能。複数拠点のデータを収集し、人気商品の把握や商品の陳列配置の見直しなど精度の高い分析に貢献できるという。

加えて、スマートシェルフで利用するICタグはUHFおよびNFCの周波数を問わず使用可能。そのため同システムの導入にあたり、国内外の各種リーダ機器(低出力、高出力)やアンテナ、各社機器との連携など、商品対象物にあわせたカスタマイズの検討が可能。

さらに同システムの導入に合わせてスタッフによる関連機器のコンサルティングやサポートも可能となっている。

TOPPANデジタルは、同システムをアパレルや書店など既にICタグが実装されている流通・小売店舗を中心に、2025年4月より本格提供する。また、展示会やモデルルームなど商品を消費者に紹介する会場・施設への展開も実施し、システムの提供および関連受注含めて、2026年度に10億円の売上を目指す。