Intelが2021年に掲げた4年間で5ノード(5N4Y)の仕上げともいえる「Intel 18A」(いわゆる1.8nmプロセス)を採用したAI PC向けプロセッサ「Panther Lake」(開発コード名)およびサーバ向けプロセッサ「Clearwater Forest」(開発コード名)が、米オレゴン州の試作ファブから出荷され、動作確認が取れたことが発表された。

  • Intelの5N4Y

    Intelの5N4Y(4年で5つの技術ノードを実現するロードマップ) (出所:Intel Malaysia Press Tour配布資料、2023年8月)

これらの製品はテープアウト後の2四半期以内で達成され、2製品ともに2025年から量産される予定だという。また、2製品ともに追加の構成や変更なしでOSの正常起動が確認されたことから、InteではIntel 18Aの健全性を示す成果だと説明しているほか、Clearwater ForestはIntel 3の派生プロセスでTSVを適用した「Intel 3-T」を適用した主力製品でもあるともしている。

  • Intel 18Aを用いて製造されたウェハ
  • Intel 18Aを用いて製造されたウェハ
  • Intel 18Aを用いて製造されたウェハ
  • Intel 18Aを用いて製造されたウェハ (C)Intel Foundry)

2025年前半には最初のファウンドリ顧客の製品がテープアウト予定

このほか同社は、最初の外部顧客が2025年前半にIntel 18Aベースの製品のテープアウトを行う予定であることも公表している。

Intelは、2024年7月に先行してIntel 18A向けプロセスデザインキット(PDK)のバージョン1.0をリリースしている。同社のRibbonFET(一般的にGAA FET)アーキテクチャとPowerVia(一般的には裏面電源供給網)の機能を活用できるようにするツールで、すでにEDAおよびIPパートナー各社も顧客向けの提供内容を更新済みとのことで、Cadence Design SystemsやSynopsysなどのパートナーからも対応表明のコメントが出されており、そうしたパートナーのツール含め、RibbonFETとPowerViaがIntel Foundryのすべての顧客に提供されることとなる。

RibbonFETは、トランジスタチャネルの電流を厳密に制御できるため、チップサイズの小型化を可能とするほか、リーク電力の削減も可能とする技術。一方のPowerViaは、電力供給をウェハの前面から分離することで信号ルーティングを最適化し、電力効率を向上させることができる技術。Intelは、これらの技術を組み合わせることで、将来の電子機器の演算性能とバッテリー寿命の向上を可能にすると説明している。

第2四半期にArm株を118万株を売却

Intelが8月13日に規制当局へ提出した資料で、保有していたArmの株式118万株を第2四半期中に売却したことを複数メディアが報じており、得られた売却益は約1億4700万ドルほどと見られているという。