韓国のSK hynixが7月25日、2024年第2四半期(4-6月期)の決算を発表した。

それによると同四半期の売上高は前年同期比124.8%増、前四半期比32%増の16兆4233億ウォンで四半期ベースでの過去最高を更新した。営業利益は、前四半期比89%増の5兆4685億ウォンで、2018年第2四半期の5兆5739億ウォン(同第3四半期は6兆4724億ウォン)以来、6年ぶりとなる5兆ウォン台を回復した。純利益は前四半期比115%増の4兆1200億ウォンとなった。

世界市場で高いシェアを有するAI向けメモリ(HBM)が、すでに2025年分まで売り切れ状態となるなど、同社の業績をけん引しているほか、eSSDなどのAI関連メモリ製品も好調で、NAND部門も2四半期連続で黒字化を果たしたという。

同社のキム・ウヒョン最高財務責任者は「収益重視の投資スタンスに沿って、第2四半期も必要な投資を行いながら、第1四半期に比べ借入金を4兆3000億ウォン削減することができた」とし、「安定した財務体質を基に、最高の工程技術と高性能製品の開発に注力し、世界第1位のAIメモリ製品のプロバイダとしての地位を固めたと確信しており、さらに強固にしていく」と述べた。

HBMの売り上げは前年同期比3.5倍

同社はDRAM分野で、2024年3月から量産を開始したHBM3EやサーバDRAMなど高付加価値製品の比率を高めることで業績を伸ばしている。特にHBMの売上高は前四半期比80%以上、前年同期比250%以上の伸びを示したという。同社は第3四半期にすでにサンプル供給を開始している12層HBM3Eの量産を計画しており、さらなる成長を狙っている。

下半期についてもAIサーバメモリの需要が高いことに加え、オンデバイスAIをサポートする新しいPCおよびモバイル製品が市場に投入されることで、高性能メモリ製品の販売が増加すると予想している。また、併せてその他のメモリ市場も着実な成長軌道に乗ると予想している。 また、サーバDRAMとして256GB品を提供しているが、さらなる競争優位の確保のため、下半期中にサーバ向け32GビットDDR5 DRAMならびにHPC向けに速度向上を果たしたMCRIMMの発売も予定している。

NAND製品は下半期に60TB eSSDの投入を計画

一方のNAND事業については、eSSDとモバイル製品の売り上げが伸びており、中でもeSSDは前四半期比で約50%伸長した。同社は、2023年第4四半期以降、NAND製品全般にわたって平均販売価格(ASP)が上昇を続けており、2四半期連続で黒字化を達成していることを強調している。

また、今後については下半期中に60TB eSSD製品を投入する計画で、eSSDの販売額は前年比で4倍以上になるとの予想を示している。また、NAND製品全体にわたって競争力のあるソリューションを投入することで、収益の成長を目指すことを計画している。

なお、同社はAI関連メモリの需要の増加に対応することを目的に2025年下半期の量産開始を目標に、現在、韓国の清州工場にてM15Xファブの建設を進めているほか、ソウル近郊の龍仁半導体クラスタの第1工場も2025年3月より着工し、2027年5月に完成させることも予定している。

  • SK hynixの2024年第2四半期決算概要

    SK hynixの2024年第2四半期決算概要 (出所:SK hynix)