NXP Semiconductorsは7月22日(欧州時間)、2024年第2四半期(4-6月期)の決算業績を発表した。
それによると同四半期の売上高は、前年同期比5%減、前四半期比100万ドル増の31億2700万ドルとなったとするほか、主力の車載半導体部門の売上高は、前年同期比7%減、前四半期比4%減の17億2800万ドルにとどまったという。
また、第3四半期(7-9月期)の売上高見通しについては32億5000万ドル±1億ドルに設定。中間値で比較すると前年同期比5%減となったこともあり、他の半導体メーカー大手に先駆けて発表される同社の決算内容を業界動向の目安としているアナリストたちの売上高見通しを下回る結果を踏まえ、失望売りによる株価の下落が生じた模様である。
NXPのKurt Sievers社長 兼 最高経営責任者(CEO)は、「我々はビジネスにおける景気後退期をうまく乗り切ったという見方をしており、継続的な成長を再開できると予想している。コントロール可能な点をしっかり管理することで、厳しい需要環境の中でも収益性と利益の回復を着実に継続していく」とする強気の談話を発表している。
なお、中国政府で自動車産業の政策を担う工業情報化省が中国大手自動車メーカーに対して、2025年には車載半導体の中国現地調達率を20〜25%に高めるよう求めているとされるが、現状の車載半導体現地調達率は10%程度にとどまっている。中国政府は、自国製半導体の採用を促し、独自の半導体サプライチェーン(供給網)の強化を進めようとしている一方で、欧州委員会(EC)は「中国政府が自国の半導体産業に投資し、支援している姿勢は、欧州の半導体メーカーが中国での市場シェアを大きく奪われるリスクがある」と警告を発しており、今後、中国市場での現地調達率が高まるようなことになれば、こうした危惧が現実のものになりかねないと見る欧州市場関係者も出てきている。