Infineon Technologiesは5月7日、2024会計年度第2四半期(2024年1月~3月)の決算概要を発表した。
それによると売上高は前四半期比2%減、前年同期比12%減の36億3200万ユーロ。純利益は前四半期比33%減、前年同期比52%減の3億9400万ユーロとなった。
また2024会計年度通期売上高見通しについて、約151億±4億ユーロ(想定為替レート1ユーロ=1.10ドル)としているほか、2024会計年度第3四半期売上高見通しを約38億ユーロとしている。また、投資計画を約28億ユーロ(従来は約29億ユーロ)としている。
同社CEOのヨッヘン・ハネベック氏は、「厳しい市場環境が続く中にあって堅調な第2四半期を達成した。多くの最終市場が依然として低迷しており、自動車市場も減速しているが、顧客や販売代理店は半導体在庫レベルを減少させている。Infineonは、中長期的な可能性を最大限に高めるために、『脱炭素化』と『デジタル化』が高い収益性を実現する推進力となると予想している。この目的のために全社的なステップアッププログラムを立ち上げ、業績改善を目指している」と述べている。
XiaomiのEV「SU7」向けに幅広い半導体製品を提供
また同社はXiaomiのスマート電気自動車(EV)「SU7」向けに幅広い半導体製品を提供していくことも発表している。
提供される製品としては、車種ごとに違いはあるが、SiCパワーモジュール「HybridPACK Drive G2 CoolSiC」のほか、10個以上のマイコン、ゲートドライバなどとしており、例えばMaxグレード用には2つのHybridPACK Drive G2 CoolSiC 1200Vモジュールを提供するとしている。このCoolSiCベースのパワーモジュールは、従来より高い動作温度を可能にし、高パフォーマンス、駆動ダイナミクス、長寿命を提供。同技術を用いたトラクションインバータによりEVは航続距離の延長が可能になるという。
またIndineonとXiaomiは、SiCポートフォリオのメリットを最大限に引き出すために、SiC車載アプリでの協力を推進していくことでも合意したとしている。
Xiaomi EVの副社長兼サプライチェーン部門ゼネラルマネージャーのジェンユー・ファン(Zhenyu Huang)氏は、「Infineonは、パワー半導体における先端技術とレジリエンスのある製造能力、および拡張性の高いマイコン製品ポートフォリオを備えた重要なパートナーである。両社の協力は、Xiaomi EV向けSiCの供給の安定化に役立つだけでなく、最先端の機能を備えた高性能で安全かつ信頼性の高い高級車を顧客に提供することにも役立つ」と述べている。
一方のIndineonの自動車部門プレジデントであるピーター・シーファー氏は「自動車業界の主要パートナーとして、Infineonは幅広い製品ポートフォリオ、システムの理解、複数の製造拠点を備え、未来のモビリティを形作る上で有利な立場にある。この提携は、世界の自動車産業におけるナンバーワンパートナーとしてのInfineonの地位向上に貢献する」と述べている。
米国の対中半導体輸出規制強化を横目に、欧州の半導体企業は、中国という一大半導体市場への売り込みに余念がないようだ。