半導体ファウンドリのTower Semiconductorが米国カリフォルニア州ニューポートビーチに構える半導体工場について、景気低迷に伴う受注減を受け、2024年に延べ3週間にわたる業務停止を計画、これに伴い約700人の従業員が一時帰休することになると米国メディアが報じている。

この動きを報じた1紙で、地元紙である「The Oregon Cunty Register」によると、同工場は、2024年4月1日から7日にかけてクリーンルームを閉鎖しウェハプロセス作業を停止する予定だという。製造装置についてはすぐに稼働できるようにアイドル状態を維持するとしているが、その他の工場内の電力は当該期間にわたって停止するという。この後も7月1日から7日、10月1日から7日に業務を停止する予定だという。

Towerは、「半導体不足が続いた過去2年間に顧客が在庫を積み増そうとしたが、現在はその積み上げた在庫レベルを減らす動きを進めており、それに伴いTowerへの注文数が減少していることから、工場を一時閉鎖せざるを得ない状況になっている」と従業員やカリフォルニア州雇用開発局に説明しているという。1週間単位の業務停止を繰り返して行うのは、長期間の工場閉鎖に伴う雇用の喪失を避けるためだという。

Towerの工場責任者は、「私たちは過去に困難な時期を経験してきたが、常に克服してきた。今までの経験から、私たちの前には前向きな時代が待っていることを承知しており、私たちはその時代を楽しみにしている」と述べている。同社のWebサイトには当該工場向けに、デバイスエンジニア、電気エンジニアのインターン、産業エンジニアのインターン、航空宇宙および防衛のセールスディレクターなど、さまざまな職種の13件の求人が掲載されている(2024年3月8日時点)。

なお、TowerについてはIntelが2022年2月に54億ドルでの買収を発表していたが、中国の規制当局から承認を得られなかったことから、2023年8月にIntelが買収契約を破棄することを発表。その後、IntelがTower Semiconductorにファウンドリサービスおよび300mmウェハ工場の生産能力を提供するパートナーシップ契約を締結したことを発表している。これに伴いTowerは、最大3億ドルを投じ、米ニューメキシコ州にあるIntelの工場(Fab 11X)の一部の製造能力を活用できるようになる予定で、IntelもIntel Foundry Services(IFS)で提供するプロセスとして、Towerによる65nmプロセスを新たなロードマップに記載するなど、協力関係を強化している。