Intelは8月16日(米国時間)、イスラエルTower Semiconductorと進めていた、IntelがTowerを54億ドルで買収するための合併契約を解消することに相互合意に達したと発表した。

この合併契約の条項に従い、IntelはTowerに3億5300万ドルの解除料を支払うことになる。期限までに規制当局の承認が得られなかったことが原因だとしている。

今後もTowerとの協力関係構築を模索

IntelのPat Gelsinger CEOは、「Intelのファウンドリへの取り組みは、IDM 2.0 の可能性を最大限に引き出すために不可欠であり、今後も戦略のあらゆる面で前進し続けていく。現在のIntelは、2025年までにトランジスタの性能と電力性能のリーダーシップを取り戻すというロードマップを順調に実行しており、顧客やより広範なエコシステムとの勢いを高め、世界が必要とする地理的に多様で回復力のある製造拠点を提供するために投資している。Towerに対する私たちの敬意はさらに高まっており、今後も協力する機会を探し続ける」と述べている。

また、Intel Foundry Service(IFS)のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるStuart Pann(スチュアート・パン)氏は「Intelは、2020年代の終わりまでに世界最大のファウンドリとなることを目指しており、従来のウェハ製造に加えて、パッケージング、チップレット規格、ソフトウェアを含む技術ポートフォリオと製造専門知識を備え、世界初のオープンシステムファウンドリとして差別化された顧客価値提案を構築していく」と述べている。

もしIntelがTowerの買収を完了できていた場合、Towerの日本子会社タワー パートナーズ セミコンダクター(TPSCo)が保有する日本の前工程3工場(旧パナソニックの半導体工場)を入手でき、日本での製造に向けた足がかりとなるはずであった。