onsemiは、DC超高速電気自動車(EV)充電器およびエネルギー貯蔵システム(ESS)向けの双方向充電機能を実現する9種類の新しい「EliteSiCパワー統合モジュール(PIM)」を発表した。

  • 9種類の新しい「EliteSiC PIM」

    onsemiが新たに発表した9種類の新しい「EliteSiC PIM」の外観 (出所:onsemi)

SiCパワー半導体をベースにすることで、従来のSi IGBTソリューションと比べてサイズを最大40%、重量を最大52%削減できる高効率かつシンプルな冷却機構が可能となり、システムコストを改善することができる。同ソリューションを活用することで設計者は、15分でEVのバッテリを最大80%充電することが可能な、高信頼性かつ高効率でスケーラブルなDC急速充電器ネットワークを迅速に展開するために必要なすべての主要ビルディングブロックを入手できるようになるという

EVの普及には充電ステーションの数を増やすことが重要とされている。しかし、そうした電力需要の急増が電力網に負担をかけることになることから、その解決策として、EVをエネルギー貯蔵システムとして使用し、必要なときに家庭に電力を供給できるようにする「V2G(vehicle-to-grid)」が注目されている。onsemiでは、同ソリューションは、そうしたDC急速充電ネットワークとV2Gの給電システムの実現に役立ち、数時間から数日かかるほかの方法よりも高速で車両を充電できるため、充電設備へのアクセスと充電速度の課題に対応できるとしている。

なお、onsemiは、一貫性と信頼性を確保するため、各モジュールに同じウェハから得たダイを使用することで、設計者が別のサプライヤから供給されるディスクリート製品を不要とし、性能にバラつきが生じる可能性をなくしているという。