情報通信研究機構(NICT)、野村ホールディングス、TOPPANデジタル、大和証券グループ、みずほフィナンシャルグループは12月18日、NICTが運用する量子鍵配送ネットワーク「東京QKDネットワーク」上に整備された企業間量子暗号ネットワークテストベッドを用いて、安全に共有・利活用する運用試験を開始すると発表した。

企業間量子暗号ネットワークと運用試験の概要

NICTは、重要情報を安全に長期保管して活用する仕組みとして、東京QKDネットワーク上に秘密分散技術を組み込んだ量子セキュアクラウドを開発し、技術実証やアプリケーションの開発を行ってきた。

今回、社会課題の解決に向け、複数の企業拠点を結んで東京QKDネットワークを拡張するとともに、量子インスパイアードコンピュータと呼ばれる計算エンジンも組み込み、安全に試験利用できる環境を企業間量子暗号ネットワークテストベッドとして整備した。

  • テストベッドのネットワーク監視画面

これらの試験環境を複数の企業で連携して活用していくための運用試験を開始する。運用試験を通じて、企業が活用する際の課題や多くの企業が連携活用する際の課題を抽出するとともに、従来インフラとの親和性/責任分界点のバランスなどの設計についても検証を行う。