ソニー、デンソーとの合弁会社であるJASMの熊本県菊陽町の半導体第1工場に製造装置の搬入を開始しているTSMCだが、すでに隣接地の第2工場建設決定に加え、同じ熊本県内に先端プロセスに対応する第3工場の建設を検討していると同社の事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたと米国メディアであるBloombergが11月21日付けで報じている。
JASMの第2工場に関しては、日本政府が最大7500億円の補助金を支給することを検討しており、国会審議を経て承認が得られ次第、正式に発表されるものと見られている。
Bloombergでは、この第3工場は3nmプロセスでの生産を視野に入れているとされ、この情報はすでに日本の製造装置や材料メーカーを含む、TSMCの製造パートナーや関連先にも広く共有されているともしている。
また、第4工場の建設可能性も検討されているともしているが、すでに一部の日本メディアが2023年7月時点でTSMCの幹部が密かに経済産業省を訪問し、将来の最先端プロセス製造を担当する第4工場への補助金支給に向けた協議を行ったと報じている。
なお、TSMCは「日本においては第2工場の建設についての可能性を検討しているが、それ以上の情報については現在開示できるものはない」とコメントしているという。現在、熊本県ではJASMの半導体工場建設をはじめ、ソニーなども新工場建設を計画するなど、活況を呈しており、半導体人材(技術者および現場作業員)の確保に加え、工業用水や電力といったインフラ関連人材の確保などの問題に加え、工場地帯への慢性的な渋滞なども問題となっており、第4工場の建設地は北九州市など、熊本県外になる可能性もあるとする業界関係者からの声もあるとしている。JASMの第4工場は第3工場が3nmプロセスとすると、さらに微細な2nm以下の微細プロセスが採用される可能性が高く、北海道で同様に2nmプロセス以降でのファウンドリサービス提供を目指す日本のRapidusと競合、あるいは協業する可能性もある。