Vicorは、蘭アイントホーフェン工科大学の学生レーシングチーム「University Racing Eindhoven(URE)」が手掛けるフォーミュラレーシングカーに、Vicorの電源モジュールが採用されたことを発表した。
UREは発足20周年を迎える学生レーシングチームで、今回、Vicorの高密度な小型軽量電源モジュールを採用することで、400V~600Vという高電圧バッテリを27V~38Vに高効率で降圧することを可能としつつ、車体重量を従来のディスクリート部品の構成に比べ15%ほど軽量にすることに成功したという。
また、この電源モジュールは、バッテリとラジエータファンを含む7つの低電圧回路に電力を供給するときに最も高い効率で動作するとのことで、UREでは、従来のディスクリート部品での構成に比べ、冷却を簡略化し部品を軽量化して、性能を上げながらコンパクトな設計を実現したとしている。
開発されたレーシングカーは2023年7月、オランダ・アッセンのTTサーキット・アッセンにて開催された、国際フォーミュラ学生大会の電動部門のシーズン初戦に出場し、5位入賞を果たしたという。またチームとしては、今後、ハンガリーのハンガロリンクと独ホッケンハイムでレースも控えているとのことで、現在の世界ランキング4位から、より上位(参加チーム数は280)を目指してレースに挑んでいくとしている。