仏Yole Groupの半導体市場調査子会社であるYole Intelligenceによると、2022年のCMOSイメージセンサ市場は前年比横ばいの213億ドルとなったという。2021年に市場が大きく成長したこと、ならびにスマートフォン(スマホ)を中心とするコンシューマ分野の需要がインフレにより減速したためだと分析している。

ただし、2022年から2028年までの年平均成長率(CAGR)は5.1%で2028年には288億ドルに達する見込みだと予測しており、2022年も2028年もCAGRは3.7%と全体と比べて低いもののモバイル向けが最大市場と見ている。2番目の市場規模としては車載向けでCAGRは8.8%としているほか、もっともCAGRが高いのはセキュリティ向けの17.6%としている。

  • CMOSイメージセンサのアプリケーション別市場シェア予測

    2022年と2028年のCMOSイメージセンサのアプリケーション別市場シェア予測 (出所:Yole Intelligence、以下すべて)

ソニーが2位以下を引き離して首位独走へ

2022年のCOMSイメージセンサの企業別シェアを見ると、トップのソニーは前年比よりシェアを若干ながら拡大させ42%を獲得。代わりに2位のSamsung Electronics(19%)、3位のOmniVision(11%)ともに前年よりシェアを若干落としている。4位はSTMicroelectronics、5位はonsemiで、ここまで前年からの順位の変動はない。このほか、SK hynixが5%までシェアを拡大してきている点が注目される。

  • 2022年のCMOSイメージセンササプライヤ別市場シェア

    2022年のCMOSイメージセンササプライヤ別市場シェア

なお、Yoleによると、最大市場であるモバイル分野はスマホカメラのハイエンド志向と新たなセンシング技術の採用により今後数年間は規模が維持される見込みだとしているほか、自動車分野も車載カメラが規制の強化に伴い増加することが期待されるため伸びていくことが見込まれるため、将来的には、モバイル分野の市場シェアは自動車に加えて、セキュリティや産業用途での用途拡大が進むにつれて減少していくことが見込まれるという。 ただし、業界全体としては今後もフォトダイオードの最適化、センサアーキテクチャの改良、マイクロオプティクス構造の改良、特殊用途向け設計の採用などといったさまざまな技術革新がなされていくことから、さらに高性能な方向へと向かっていくことが期待されるとしている。

  • より高性能なCMOSイメージセンサの実現に向けたさまざまな技術革新の手法

    より高性能なCMOSイメージセンサの実現に向けたさまざまな技術革新の手法