仏Yole Intelligenceによると、2022年のRF GaNデバイス市場は13億ドルで、2028年まで年平均成長率12%で成長し、27億ドルにまで拡大すると予測されるという。

RF GaNデバイスの主たる用途は、2022年、2028年ともにテレコムインフラで、軍事・防衛用途、人工衛星用途がそれに続く規模となっている。

  • 2022年(実績)および2028年(予想)のRF GaNデバイス市場の用途別内訳

    2022年(実績)および2028年(予想)のRF GaNデバイス市場の用途別内訳 (出所:Yole Intelligence、以下すべて)

2022年の企業別売上高トップは住友電気工業(住友電工)の電子/光デバイス専門子会社である住友電工デバイス・イノベーション(SEDI)で市場シェアは22%。次いで米Qorvoがシェア17%、米Wolfspeedがシェア15%と続く。4位はNXP Semiconductorsで、通信市場のサプライチェーンに参入することで、シェアを2021年の5%から2022年には9%へと増加させることに成功している。

防衛分野では、GaN-on-SiCが防衛レーダー、電子戦、防衛通信アプリケーションなどといった厳しい要件が突きつけられるアプリケーション向けプラットフォームの主流となっている。米Raytheon、米Northrop Grumman、中国CETCがGaNの採用を推進しており、米国防総省の信頼を得ているWolfspeedやQorvoがGaNファウンドリ・サービスを提供している。また、EricssonとNokiaは通信市場にフォーカスし、複数サプライヤから調達するRF GaNデバイスによる開発を行っているほか、Samsungは韓国のデバイスメーカーと協力して開発を進めている。HuaweiとZTEは、米国の対中半導体規制が開始されて以降、中国での開発を中国内のサプライチェーンに頼っている状態が続いているという。

  • 2021-2022年の4大RF GaNデバイスメーカー市場シェア

    2021-2022年の4大RF GaNデバイスメーカー市場シェア

RF GaNはその高出力や高周波特性の利点から、さまざまな基地局で活用されるようになっており、例えばマクロ/マイクロセルでのRRH(Remote Radio Head)からAAS(Active Antenna System)への移行に伴い、大規模MIMO(Multiple-input Multiple-output)では基地局ごとに、より多くのPA(Power Amplifier)ユニットが必要とされ、LDMOSと比較して、3GHzを超す周波数においてより高いPAE(Power-Added Efficiency)と広帯域能力を提供するGaNデバイスに注目が集まっている。こうした背景からGaNベースの通信インフラストラクチャデバイス市場は、2028 までに市場全体のほぼ45%を占めると予想されている。

また、テクノロジーノードの進化に伴い、Ku/K/Kaバンドのプラットフォームを開発しているデバイスプレーヤーは、サブThz周波数の0.1μm未満のノードや、将来の潜在的な6G市場もターゲットにしているほか、RFアプリ向けの新たなGaN-on-Siプラットフォームの新たなターゲットとして、より低電力での高効率と広帯域幅を必要とするサブ6GHzスモールセルが期待されるとYoleでは説明しているが、携帯電話システムの設計変更の複雑さを考慮すると、GaN-on-Siの市場は2023年末には立ち上がる見通しだが、それが成長するにはしばらく時間がかかるとの見方も示している。

  • RF GaNの将来に向けた展開

    RF GaNの将来に向けた展開。2023年時点で、RF GaNデバイスはテレコムインフラ市場に浸透しつつある