KLAとベルギーimecは、自動車産業の電動化を推進していくために必要な人材育成ならびにインフラストラクチャ開発に焦点を当てた、「Semiconductor Talent and Automotive Research(STAR)イニシアチブ」の設立に向けたMOU(基本合意)に至ったことを発表した。

5月16日(欧州時間)に開催されたimecの年次イベント「ITF World 2023」にて発表されたもので、半導体人材を育成し、モビリティの電動化ならびに自動運転実現に向けた先進的な半導体アプリケーションの開発を推進し、自動車産業の変革を目指すこの取り組みは、imecとKLAの25年以上にわたる半導体技術開発における協力に基づいたものだと両社は説明している。

この取り組みは、欧州(ベルギー)、米国(ミシガン州)、アジア(日本)における自動車、半導体、イノベーション研究の取り組みを結びつけることを目的としており、各パートナーは、自動車業界に合わせたプログラムの特定と管理、人材の育成と採用に関連する専門知識を提供しあうことになっている。

具体的には、米ミシガン州にセンター・オブ・エクセレンス(COE)を設立し、半導体人材の育成、自動運転ソリューションや電気自動車に対する研究支援を行っていくとしている。設立パートナーにはGeneral Motors(GM)、University of Michigan(ミシガン大学)、Washtenaw Community CollegeおよびMichigan Economic Development Corporation(MEDC:ミシガン経済開発公社)などが名を連ねている。

ミシガン州のCOEでは、以下のような活動に重点を置く予定だという。

  • 車両の電動化と自動運転ソリューションの基礎的かつ先進的な研究を加速
  • 車両電動化および自動運転技術におけるイノベーションの開発
  • 幼稚園から高等学校まで、専門学校、コミュニティカレッジ、4年制大学、研究大学を含む教育機関と協力し、中西部を拠点とする熟練した人材のパイプラインを構築
  • 現在の従業員を最新のチップ製造およびアセンブリの役割に備えさせるためのトレーニングおよび再トレーニングプログラム
  • 物理的なコラボレーションスペース、実験室およびトレーニングスペースを提供し、関連するスタートアップへの資金提供

なお、米ミシガン州は古くから自動車産業における製造、研究、教育インフラストラクチャを備えた産業とイノベーションの中心地として世界的に認識されており、STARイニシアチブのCOEの設置場所としても最適であるとKLAなどは説明しており、今後、プログラムが成熟していくことで、新たな企業や教育機関などの参加も期待できるとしている。