米国の電源用パワー半導体ファブレスであるPower Integrations(PI)は、900V GaN技術を同社のフライバック電源IC「InnoSwitch3ファミリ」に拡張することを発表した。

同社独自の「PowiGaN技術」を特長とするこの新たな電源ICは、93%以上の効率で最大100Wを供給できるため、ヒートシンクが不要となり、スペースの省略が可能になると同社では説明している。また、InnoSwitch3は軽負荷時でも高効率を実現できるため、低電力スリープモード中における電気自動車(EV)での補助電源の供給にも向いているとしており、特にAEC-Q100認証を取得したInnoSwitch3-AQファミリは、400V電源システムのEVに適応可能だとしている900V PowiGaN 電源ICでは、より多くの電力を供給できるため、12Vバッテリーシステムに必要な設計マージンを十分確保でき、Siベースの電源ICよりも高い効率を実現できるとしている。

EVのほか、産業分野では、家電製品、三相モーター、サーバの補助電源ユニット(PSU)などのアプリケーションで、電力効率の向上が求められており、同社の900V PowiGaN 電源ICは、既存の725V/750VのInnoSwitch3-EPとピン互換性があるため、入力電圧が不安定な国において、理想的な安全設計マージンを提供するとしている。

  • 900V GaN フライバック電源ICのイメージ

    900V GaN フライバック電源ICのイメージ