TISインテックグループのTISとみずほ銀行は3月29日、TISの「会津財布」とみずほ銀行の「ハウスコイン」を組み合わせ、地域課題解決型デジタル地域通貨サービス「会津コイン」の提供を開始したことを発表した。

TISの会津財布は、地域ウォレットとして利用者情報や決済手段、地域での生活を便利にするサービスを利用者自身のライフスタイルに合わせて利用できるスマートフォンアプリ。利用者は会津財布上で金融機関の口座からチャージする。店舗ではアプリを使い2次元コードをカメラで読み取り、支払いを行う。

また、みずほ銀行のハウスコインは企業の自社店舗といった特定の経済圏内や、特定の地域内での決済を可能とするチャージ型コインサービス。みずほ銀行が提供するスマホ送金・決済サービス「J-Coin Pay」の技術やノウハウをベースとしており、企業や自治体の要望に応じたサービス設計とカスタマイズが可能だという。

  • 「会津コイン」の画面例

    「会津コイン」の画面例

両社は会津コインの導入に向け、福島県会津若松市や会津若松商工会議所などと連携し、地域へのキャッシュレス決済の普及や購買データの活用などに関する市民向けイベント、意見交換、勉強会などを実施してきた。

そうした中で、店舗事業者は加盟店手数料の負担と売上高の受け取りに時間がかかることによるキャッシュフローの悪化を敬遠しており、その結果としてキャッシュレス決済の普及が進んでいない課題が明らかになったという。

そこで同サービスでは、店舗事業者が支払う料金に上限を設け、店舗事業者が売上高を任意のタイミングで受け取れるようにすることで、店舗事業者の決済にかかるコストの低減とキャッシュフローの改善を目指すとしている。

データ連携基盤については、データの共有に関して市民の同意を得ることで、市内の各サービス間で当該データを活用することを目指す。同サービスはデータ連携基盤と接続し、キャッシュレス決済を導入しても地域にデータが還元されないという課題の解決を図る。市内のさまざまなシーンでの決済データを利活用し、新たな地域サービスの創出にもつなげる狙いだ。