TSMCが、日本で検討している2番目の半導体ファブについて、5~10nmプロセスが採用され、第1工場近くに1兆円以上を投じて建設する方向で検討していると2月24日付の日刊工業新聞が報じている。新工場については2023年内に詳細を決め、2020年代後半の稼働開始を計画しているという。

日刊工業新聞では台湾発の情報としているが、台湾メディアからは自社取材の形でこの報道をしたところはなく、台湾の中央通信社や多数の主要日刊紙も、このニュースを日本の日刊工業新聞が報じたものと前置きしたうえで、TSMCのコメントとして「(1月の日本第2工場検討中との公表後、)新たに発表する情報はない」と伝えている。普段は、「噂にはコメントしない」というところなのだが、今回はややニュアンスが違うのは、経済産業省(経産省)と補助金などの交渉が水面下で進められているからと思われる。米Bloombergによる経産省への取材によると、「報道は承知しているが、この件についてはコメントできない」と含みのある回答したという。

TSMCの魏哲家 最高経営責任者(CEO)は1月の決算発表時に「顧客からの需要と日本政府の支援レベルが理にかなっていれば、日本に2番目の工場を建設することを検討する」と述べているが、具体的な場所や建設時期など詳細は一切は示していなかった。