2023年1月25日~27日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「第15回 オートモーティブワールド」において、AMDザイリンクスのブースでは、Xilinx時代から紹介してきたFPGA/Zynqを用いた各種車載ソリューションに加え、AMDのCPU/GPUを用いたデモなども行われている。
2022年2月にXilinxの買収を完了し、CPU/GPUに加え、FPGA関連を手にしたAMD。これまでXilinxとして自動車分野に注力してきたが、近年はCPU/GPUの車載分野での採用にも積極的な動きを見せている。主にIVI(車載情報システム)分野での採用だが、すでにTeslaのモデルSやモデルXに採用されていることが公表されているほか、2022年8月には中国吉利グループ傘下の技術会社ECARXが、次世代EVのコックピット向け車載コンピューティングプラットフォームの開発に向けてAMDと戦略的提携を交わしたことを発表している。
今回の同社ブースでもRyzen Embedded V2748 APUを用いたインフォテイメントデモが行われていた。具体的には、4台の24型ディスプレイにセントラルディスプレイ、デジタルコックピット、後部座席向けゲームや映画といったコンテンツを表示。次世代社内エクスペリエンスを1チップで実現できることを紹介するものとなっていた。
また、長年のパートナーであるOKIアイディエスと協力して、Zynq UltraScale+ MPSoCのDynamic Function eXchange(DFX)機能を活用した動的に機能を変えるデモが実施されている。具体的には、前回の会場では、4つのカメラそれぞれに各フィルターで処理した映像をリアルタイムで表示。それぞれ別のフィルタにダイナミックで切り替えるというものであったが、今回はドライバモニタリングと3Dサラウンドビューという2つの機能そのものを瞬時に切り替えるというものとなっていた。
さらに、Alveo V70を用いたマルチストリームAIによる自動車分類デモも実施。Versal AIコアの性能を活用し、GStreamerフレームワークを活用して構成された、データインジェストから推論までの統合型高速ビデオ解析パイプラインを紹介するというもので、16個のHDビデオ入力を備え、各フレームで平均10個の深層学習モデルを処理し、H.264デコードおよびコンピュータビジョン関数の実行を行うというものとなっていた。