SPAD(Single-Photon Avalanche Diode) LiDARは名前の通り、入射した1つの光子から、雪崩の様に電子を増幅するAvalanche Diodeを利用した測距センサーを採用したLiDARシステムの事。2022年に開催されたデンソーの半導体戦略説明会でも重点開発項目の1つとして紹介されており(Photo01)、トヨタ自動車のLEXUS LSの新型やFCV MIRAIなどのフロントに搭載予定とされている。

  • 左が従来型LiDAR、右がSPAD LiDARの測定結果

    Photo01:半導体戦略説明会のスライドより。左が従来型LiDAR、右がSPAD LiDARの測定結果

今回XA Zynq Ultrascale+ MPSoCはこの開発中のLiDARプラットフォームに採用されるもので、現在利用しているプラットフォームと比べて20倍の解像度を提供できるものとしている。加えてLiDARのサイズも小型化可能であり、複数のLiDARをタンデムで搭載する事で前方だけでなく側面まで監視可能としている。デンソーはこのXA Zynq Ultrascale+ MPSoCを採用するプラットフォームを、複数世代のLiDAR製品に利用する計画とする。

なお、現在開発中の新LiDARプラットフォームに基づく製品は、2025年に市場投入を予定している。