Samsung Electronicsは12月21日、12nm級のプロセス技術を用いた16GビットDDR5 DRAMを開発したこと、ならびにAMDのCPUプラットフォーム上での互換性に関する製品評価を完了したことを発表した。
同プロセス技術は、セル容量を増加させる新しい高誘電率(high-k)材料の使用と、重要な回路特性を改善する独自の設計技術によって実現されたという。これらの技術とEUV露光装置を用いた複数のクリティカルレイヤ(コンタクトホールなど微細化加工が必要なプロセス)への適用と組み合わせることで、12nm級DRAMは高いダイ密度を実現。ウェハの生産性を従来比で20%向上することができたという。
この12nm級DDR5 DRAMは、最大7.2Gbpsの転送速度を提供実現しているほか、優れた電力効率により消費電力は最大23%低減できるため、より環境にやさしい運用を追求するグローバルIT企業にとって理想的なソリューションになると同社では説明している。
2023年より量産開始予定で、同社ではこの12nm級DRAMプロセス技術を用いた製品ラインナップを次世代コンピューティング、データセンター、AIアプリケーションはじめ幅広い市場セグメントに拡大することを計画しているとする。
なお競合であるMicron Technologyは、同社広島工場にて、EUV露光装置を用いない、使い慣れた液浸ArF露光のマルチパターニングによる1β(同社では13nm級と呼んでいる)DRAMの生産を2022年11月より開始したことを発表したばかりであり、DRAMのプロセス微細化は1nm刻みの競争になってきている。