UiPath(ユーアイパス)は11月8日、同社の委託により実施された「IDC APJ Automation Survey 2022」の結果を発表した。この調査は、2022年2月から3月にかけて日本、中国、韓国、豪州、インドネシア、インド、マレーシア、シンガポール、タイの従業員数1,000人以上の企業350社(日本:50社)を対象に、自動化の傾向や採用状況、課題や優先事項などについて調査している。

  • 「IDC APJ Automation Survey 2022」

    「IDC APJ Automation Survey 2022」(出典:IDC)

APJ:Asia Pacific and Japan

同調査から、日本の企業の62%が、RPAプロジェクトをスケールアップする、またはエンタープライズ規模のRPA環境を実現する予定であることが明らかになったという。また、日本の企業の92%がRPAの重要性とメリットを認識しているにも関わらず、現在RPAを全社規模で展開していないという状況も明らかになったという。

さらに、2020年から2021年にかけて、自動化への支出は引き続き右肩上がりで推移し、日本の企業の76%が支出を増やしていることも判明した。

  • 今後、日本での自動化への投資が加速

    今後、日本での自動化への投資が加速

自動化の導入に対する優先項目のトップ3は、経営効率の改善(60%)、将来のパンデミックや危機に対する事業継続性と回復力の確保(58%)、企業全体のデータ、人、プロセス、文化に対する全社的な洞察力とガバナンスの向上(52%)だという。また、ESG(環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3つの要素の観点)と持続可能性に関わる業務を挙げた企業は40%だったという。

米UiPath社 Co-CEO(共同最高経営責任者) ロバート・エンスリン(Robert Enslin)氏は、今回の調査を受け、「自動化はゲームチェンジャーであり、革新的な方法になりつつある。自動化は企業のイノベーションへの移行だ。また、成長しようとして企業にとっての重要な触媒となっている。日本の企業は自動化を非常に重要だと認識している。企業が(自動化に)強い意欲をもっていることは明らかだ。UiPathの将来も明るい。われわれの収益は2015年は百万ドルを下回ったが、最近、10億ドルを超えた。これは大きな成果だ。SaaSビジネスをどれだけ迅速に構築できるかという点では、世界で類を見ない」を語った。

  • 米UiPath社 Co-CEO(共同最高経営責任者) ロバート・エンスリン(Robert Enslin)氏

    米UiPath社 Co-CEO(共同最高経営責任者) ロバート・エンスリン(Robert Enslin)氏

また、同日には、9月に米ラスベガスで開催されたフラッグシップイベント「UiPath FORWARD 5」で発表された、同社の自動のプラットフォーム「The UiPath Business Automation Platform」の機能強化(2022.10)についても説明された。

「The UiPath Business Automation Platform」は、プロセスやタスクの改善ポイントを発見するための「発見(Discover)」、課題を解決するための「自動化(Automatioate)」、エンタープライズ向け企業の運用のための「運用(Operate)」の3層がら構成されている。

  • 「The UiPath Business Automation Platform」

    「The UiPath Business Automation Platform」

「2022.10」では、Process Mining、Task Mining、UiPath Studio Web、Re:inferなどの機能強化が行われている。

  • 「2022.10」

    「2022.10」

Process Miningは、エンタープライズシステム向けのものだが、Task Miningは、デスクトップにおけるタスク向けのマイニングツールとなっている。

Process Miningでは、エンタープライズシステムのプロセスに関連するイベントデータをキャプチャし、イベントログに変換し、プロセスグラフを自動的に作成。このプロセスグラフで、各ステップのタイミングやプロセスフローのすべての変動など、プロセスの情報を確認することができる。

Task Miningでは、高度な機械学習(ML)モデルにより、データから頻出するタスクパターンを検出し、自動化に適した反復的なアクティビティを特定する。今回、新たなアシストモードを備え、プロセスエキスパートが自身の知見をAIディスカバリーで補完する。

開発者向けのブラウザベースの自動化開発ツール「UiPath Studio Web」では、プラットフォームを横断して自動化作成機能を提供するとともに、組織内での大規模な自動化の配布をより簡単に行えるようになるという。

Re:inferは、Re:infer社の買収に伴い追加されたもので、コミュニケーションマイニング機能を提供する。メールなどの文章の行間を読み、意味を抽出できるという。 電子メールや文書、チャットログ、SNSメッセージなどを分析して、アクションにつながるビジネスデータの生成や自動化ができるという。

ヨーロッパの保険会社では、顧客からの問い合わせメールを、Re:inferで契約更新、見積もり依頼、支払い請求などに分類し、自動化処理を行っているという。

  • Re:infer

    Re:infer

なお、UiPath Business Automation Platformのアップグレードは、2022年10月31日より一般提供が開始されている。