ゼンリンデータコムとNX総合研究所は9月9日、ゼンリンデータコムが持つ屋内外高精度測位情報の活用技術とNX総合研究所の倉庫作業分析ツール「ろじたん」を組み合わせることにより、物流センター内や工場内などの生産現場におけるヒト・モノ・クルマの状態の可視化を実現し、生産性を改善するためのサステナブルな取り組みを支援するサービスを提供開始したと発表した。

「ろじたん」とは、スマートフォンアプリとWebの連携により、倉庫内の作業時間を計測するツール。作業中にスマホに表示されるボタンをタップするだけで、作業履歴を蓄積できるという。取得データはWebによって一括管理が可能なうえ、さらに、ご提供する分析ツールを使って、簡単に集計グラフを出力することもできる。

具体的には、ゼンリンデータコムの高精度測位技術による動線滞在エリア・停滞動作把握に加え、NX総合研究所の「ろじたん」で取得可能なヒトの作業状態、投入工数、さらには、フォークリフト・リーチフォーク・運搬車のクルマの稼働状況・積載走行比率を把握することを組み合わせた総合的な情報可視化サービスの展開を推進するという。

物流センター内や工場内の現場では、市場環境の急激な変化にも対応できるサプライチェーンの構築が求められている一方で、原料・資材・労働コストが高騰する中、生産・物流コストの低減を目指し、市場に対して魅力的な価格で商品を投入し続けることは企業の生命線になっているという現状があるという。

また、測位技術を含むIoT製品が安価に入手できるようになったことで、生産現場の特殊な環境下においても、運営に欠かせないさまざまな情報収集が時系列に簡単に取得できるようになり、その結果として、取得した情報を数値化・指標化し、これまで把握できなかった視点での改善活動を両社のノウハウ・技術を使って継続的に支援することが可能になったとのことだ。

両社は、さまざまな情報が収集可能なIoT機器を連動して、データを組み合わせることで生産性のボトルネックを可視化し、継続的な生産性改善につながるデータ分析可視化サービスを目指すとともに、生産改善・技術改善コンサルティングが可能なパートナーの募集も行い、幅広い領域でのサービス展開を目指していきたい方針。