国立天文台(NAOJ)は9月5日、太陽系外惑星とその主星に対して名称を提案することが可能なイベントである「太陽系外惑星命名キャンペーン2022」が、国際天文学連合(IAU)により8月8日にアナウンスされたことを発表した。

これまで、同キャンペーンは2015年と2019年に実施されているが、今回はルールが変更となる。名称の提案ができるのは個人ではなく、複数名で構成されたチームになるという。チームは、天文学者、アマチュア天文家、天文愛好者、教員、学生や生徒といった、多様な構成員であることが望まれているが、少人数で構成することも可能で、チームには、天文学を市民に普及するイベントを企画して実施すること、またそのレポートを作成することが求められている。

命名提案の対象となる天体は、20の系外惑星とその主星から成る組(系外惑星系)で、チームはこの中から1組を選び、系外惑星とその主星について、それぞれの名称案と共にその間に共通するテーマを、所定のフォームを用いて提案。その際に、天文学普及イベントのレポートを添える必要があるとされている。

なお、実在した人物名や国名、都市名などは提案できないなど、これまでとは異なるルールにも注意が必要。締め切りは、提案するチームの国・地域の現地時間で2022年11月11日(日)となっている。

提案された名称は、まずそれぞれの国や地域で選考が行われる(日本で今回のキャンペーンを推進するのは、IAUとNAOJが協力して運営するIAU国際普及室(IAU OAO))。日本の選考委員会は、IAU副会長でNAOJの渡部潤一上席教授をはじめとするメンバーで構成されており(国・地域の選考委員は、名称提案チームに参加できない)、各国・地域で選ばれた1つの提案が、IAUのワーキンググループを中心とする最終選考に進み、最終選考の結果は、2023年3月までに発表される予定となっている。

  • 太陽系外惑星命名キャンペーンのメインビジュアル

    太陽系外惑星命名キャンペーンのメインビジュアル (C)IAU OAO/NARIT (出所:NAOJ Webサイト)