Googleは7月19日(米国時間)、「Cirq Turns 1.0|Google Open Source Blog」において、オープンソースの量子コンピューティングフレームワーク「Cirq 1.0」の最初のフルバージョンをリリースしたと伝えた。Cirqは量子コンピュータや量子シミュレータで量子回路を作成、操作、最適化するためのPythonソフトウェアライブラリ。中規模量子コンピュータを扱うための有用な抽象化を提供するフレームワークとされている。

  • Cirq Turns 1.0|Google Open Source Blog

    Cirq Turns 1.0|Google Open Source Blog

Googleはこれまで何年にもわたり、産業界や学会の関係者と協力してCirqの開発に取り組んできた。今回の発表で特に注目されるのは、Cirqがシステムワークフローの大部分をサポートしている点と安定したAPIに達したと評価されている点にある。1.xといった今後リリースが予定されているバージョンは1.0と互換性があることを意味しており、2.xといったようにメジャーバージョンの変更が伴うまでは継続して利用できることが保証されている。

Googleは発表の中で、Cirqの取り組みを始めた当時の量子コンピュータは数量子ビットと量子ゲートで構成されており、この5年間でこれが数百キュービットにまで拡張していったと説明。この過程で多くの教訓が得られたと説明しており、特に量子コンピューティングハードウェアの規模と複雑さが増大するにつれて、この成長をサポートするソフトウェアを作ることが研究と進歩を継続するために必須であると考えられることがわかったとしている。

量子コンピューティングハードウェアは今後5年間で数百または数千ビットに達すると予測されており、これまで以上に幅広いフレームワーク、プログラミング言語、ライブラリが必要になると、今後の展望についても言及している。