米韓首脳会談で半導体サプライチェーンの中国依存脱却を模索

なお、バイデン大統領と尹大統領は、翌5月21日に首脳会談を行い、共同声明を発表。この共同声明文には「半導体(Semiconductors)」というキーワードが以下のように2回出てきた。

  • 「米韓両大統領は、米韓の科学者、研究者、技術者は、世界で最も革新的であることを十分に認識し、この比較優位性を活用して、必要不可欠かつ新興技術 ― つまり先端半導体技術、環境にやさしいEVバッテリー、人工知能、量子技術、バイオテクノロジー、バイオ製造、自律型ロボット - を保護および促進するための公的および民間の協力を強化することに同意する。さらに、両大統領は、これらの分野の専門家間の人と人との交流に対する積極的な支援を再確認する。この目的のために、両大統領は、投資の促進および研究開発協力を通じて、両国におけるこれらの必要不可欠かつ新興技術に関するパートナーシップを強化するために協力することに合意する」。
  • 「米韓両大統領は、主要製品 - 半導体、バッテリー、必要不可欠な資源 - の回復力のあるサプライチェーンの促進について話し合うために、定期的な大臣レベルの『サプライチェーンと商業に関する協議会合』を設立することに同意する。両首脳はまた、重要な技術に関連する外国投資審査と輸出管理当局との間の協力を強化することに同意する。これは、高度な技術を使用して国家および経済の安全を損なうことを防ぐために必要である」。

1つ目は、先端半導体はじめ新興技術で米韓間の結びつきを強めるための施策であり、2つ目は、中国に依存しないサプライチェーンを構築するための、明らかに中国への輸出規制を狙った施策であろう。これらを踏まえて、今週、日本での日米首脳会議やクアッド(日米豪印首脳会合)でどのようなことが議論され合意されるかが注目される。