東京エレクトロン(TEL)は5月12日、半導体市場の需要拡大に対応するため、製造子会社である宮城県の東京エレクトロン宮城 本社工場に470億円を投資して、プラズマエッチングなどの半導体製造装置の開発棟を建設すること決めたと発表した。

  • 新棟完成予想図
  • 新棟完成予想図
  • 新棟完成予想図 (出所:TEL)

今後、社会のデジタル化を背景に半導体市場はさらなる拡大が予想されているが、東京エレクトロン宮城が開発・製造しているエッチング製造装置の市場は、パターニング技術の進化とともに技術革新が続き、今後も大きな成長が見込まれている。

こうした市場背景を踏まえ同社では、新開発棟の建築により、技術開発力をさらに強化し、拡大する市場と多様化する技術ニーズを見据え、顧客の求める機能を備えた製品をタイムリーに提供することで、中長期における持続的な成長と社会の発展に貢献するとしている。

同社にとって、ドライエッチング装置は、売り上げの4割を占める看板製品で、世界市場のシェア3割を占めているが、米国勢との競争が激しく、研究開発で差異化を図りたいようだ。

なお、新開発棟は延べ床面積4万6000m2の3階建てで、2023年春に着工し、2025年春の竣工を予定している。また、同社では、生産能力の不足が想定以上に早まる可能性があるとして、ほぼすべての製造拠点で、生産能力の増強を計画しているという。