ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)の研究者らは先日、「You’re muted — or are you? Videoconferencing apps may listen even when mic is off」において、ビデオ会議アプリケーションがマイクの「ミュート」中も音声データの収集を行っているという研究結果を伝えた(参考「ビデオ会議アプリはミュート中も音声を収集している? | TECH+」)。

  • You’re muted — or are you? Videoconferencing apps may listen even when mic is off

    You’re muted — or are you? Videoconferencing apps may listen even when mic is off

この研究の論文が「Are You Really Muted?: A Privacy Analysis of Mute Buttons in Video Conferencing Apps」としてアクセス可能な状態で公開されている。論文では、意識調査、アプリケーションの動作解析とその方法、キャプチャしたデータからのバックグラウンドアクティビティの推測実証などがまとめられている。

同論文において分析対象として挙げられているWeb会議プラットフォームおよびアプリの組み合わせは次のとおり。

アプリ Windows Linux macOS
Zoom (Enterprise)
Slack
MS Teams/Skype
Google Meet
Cisco Webex
BlueJeans
WhereBy
GoToMeeting
Jitsi Meet
Discord

分析したビデオ会議アプリはマイクの「ミュート」中も継続的、または、定期的にマイクからの入力を監視していることが明らかになったとしている。Cisco Webexは、ミュート中もマイクから音声データを継続的に読み取り、そのデータの統計情報を1分間に1回の頻度で遠隔計測サーバに送信していることがわかったと指摘されている。

この送信されるデータをバックグラウンドアクティビティ分類器で分析したところ、かなりの精度でバックグラウンドアクティビティを判断することができたと説明している(「掃除をしている」「料理をしている」など、取得される音声データから類推ができたという指摘)。