欧州特許庁(EPO)が、2021年に欧州に世界中の企業などから出願された特許に関する調査結果を発表した。

それによると、2021年にEPOに出願された特許件数は18万8600件で、このうち半導体に関連した特許は3748件となったという。半導体関連特許は、過去数年にわたり、3000件前後で推移してきたが、2021年は前年比21%増となり、過去最高を更新したという。

  • 2021年、EPOに出願された半導体関連特許の概要

    2021年、EPOに出願された半導体関連特許の概要 (出所:EPO)

特許出願を行った企業を国・地域別で見ると、地元である欧州からが最多の1059件(前年比14.3%増)、その後、米国の712件(同3.9%増)、韓国の662件(同36.0%増)、日本の597件(同21.1%増)、中国の468件(同45.8%増)と続き、中国と韓国の伸びが目立つ結果となった。

また、企業別で見ると、Samsung Electronicsが同6割増の484件でトップ。韓国からEPOに出願された特許の7割以上がSamsungからのもので、同社の特許取得の意気込みが感じられる。以降、Intel(125件)やTSMC(112件)が続くほか、日本勢ではソニーが84件で8位に入っている。ちなみに日本からの特許出願件数は、半導体以外のものも含めると合計2万1681件となり、3位となったという。

企業別の半導体関連特許出願ランキング上位10社を見ると、5位に3D NANDフラッシュメモリメーカーの中Yangtze Memory Technologies(YMTC)、10位にDRAMメーカーのChangXin Memory Technologies(CXMT)など、中国勢も入ってきているという。両社は、米国の特許を侵害し、米国商務省に制裁対象としてエンティティに記載されることを警戒しているといわれており、そのような制裁を受けないように細心の注意を払っているといわれている。

なお、半導体関連に限定した特許件数の情報だが、欧州に出願された特許件数総数では、中国の通信機器メーカーであるHuaweiとSamsungが3000件台でトップ争いをしており、次いでLG Electronicsが2000件台で3位。日本勢はソニーが1465件で8位に入っている。Huaweiは、5Gに続いて6G通信でも特許の先行取得で欧米における将来のビジネスを有利に展開しようとしている模様である。

  • EPOに出願された企業特許件数ランキングトップ10

    2021年、EPOに出願された企業特許件数ランキングトップ10 (出所:EPO)