半導体市場動向調査会社である米IC Insightsから世界の国・地域別の半導体生産能力調査を引き継いだ米Knometa Researchによると、2021年末における世界のICウェハ生産能力は、月間2160万枚(200mmウェハ換算)であり、国・地域国別内訳は、トップが韓国の23%、2位が台湾の21%、3位が中国の16%、4位が日本の15%、5位が米国の11%となったという。
2021年末の時点で中国ファブは年間約350万枚(同)の生産能力を有しており、2020年末の時点の調査段階(約318万枚)から1年で約30万枚ほど増やした模様である。
2021年に米国半導体工業会(SIA)とボストンコンサルティンググループ(BCG)が発表したレポートから、中国でのファブの構築と運用のコストは他のどの国・地域よりも低いとされており、そうした背景を追い風に中国でのファブ生産能力が他のどの国・地域と比べても急速に拡大していることがうかがえる。
ただし、中国におけるICウェハの生産能力のおよそ半分はSK Hynix、Samsung Electronics、TSMC、UMCといった外資系によるもので、中でもSK Hynixは1社で中国の生産能力の17%を占めている。これにはSK Hynixが買収を進めている大連のIntel NANDファブは含まれていないという。ちなみに、この大連ファブの所有権は2021年12月にSK Hynixに譲渡されたものの、Intelが2025年3月までファブの操業を続ける予定となっている。
なおKnometaによると、世界のICウェハ生産能力に占める中国のシェアは2024年には19%ほどに達すると予想されるという。外資系のSK HynixやTSMC、UMCなどが積極的に中国内の既存ファブの拡張を図っていることに加え、中国半導体メーカーも新たにグリーンフィールドファブの建設を多数進めているためであるという。