エヌ・ティ・ティ・コムウェア(NTTコムウェア)とHBAは3月7日、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を見据えて、ロボット運用に適したデータセンター(DC)の検討を目的とした共同実証実験を3月から開始すると発表した。

同実証実験ではHBAの自動巡回ロボット「HSR(HBA SMART ROBOT)」を活用してDCの運用状況把握や障害検知時の回復措置を行う。収集したデータや稼働状況をNTTコムウェアのデータ分析・活用基盤「Smart Data Fusion」などのデジタルツイン上に蓄積し、分析することで、DC運用業務省人化のライフサイクルについて検証するとのことだ。

  • データセンター運用業務の省人化ライフサイクル

今回の実験開始にあたり、「HSR」を用いて設備現況情報を収集し、デジタルツインを構築したという。実証実験では、このデジタルツイン上でDC運用に関するデータを収集し、「Smart Data Fusion」やAI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いて障害予測や異常検知、およびその状況に応じたロボットによる回復措置などのアクションについて検証を進める予定だ。

  • HSRの機体イメージ

ロボットや機器などの「リアル空間」と、サイバー空間上にモデル化された「デジタルツイン」との間では大容量データ送受信が必要だ。そのため、ロボットによるアクションのタイムラグ解消も実用化への課題と考えられる。

  • デジタルツイン化のイメージ

そこで、実用化にあたっては、NTTグループが提唱するIOWN構想下のAPN(All Photonics Network:光ベースのネットワーク)による高速かつ大容量の通信を前提とし、NTTコムウェアのAPNテストベッド環境を用いるとのことだ。