NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2月4日、山形県米沢市および高畠町において、積雪量の多い地域における除雪業務の効率化および住民サービスの向上を目指し、車載カメラを通じて収集した映像データからAI(Artificial Intelligence:人工知能)が積雪状況を分析して可視化する実証実験を開始すると発表した。

  • 積雪情報を可視化したイメージ

山形県は豪雪地帯対策特別措置法によって県内全域が豪雪地帯に指定されており、特に米沢市と高畠町は特別豪雪地帯に指定されている。積雪による交通機関への影響や停電などは人々の生活や経済活動に影響を与えるだけでなく、除雪作業は住民の負担だ。昨年は米沢市において約1400件、高畠町において約300件の除雪などに関する問い合わせがあり、積雪状況や除雪の緊急度の把握が大きな課題となっている。

こうした背景を受けて同社は、積雪状況のリアルタイムな可視化による状況把握の効率化や緊急度に応じた除雪車の早期手配など、住民サービス向上を目指して実証実験に取り組むという。

具体的には、車載クラウド録画カメラサービス「coomonita (コーモニタ)」で撮影した映像を加工し、「HERE Maps API」を活用してリアルタイムで地図上へマッピングする。道路を中心とした積雪状況の映像データを収集し、個人情報を隠しながらリアルタイムで地図上に画像として表示して、データを自治体へ提供するとのことだ。また、積雪状況や道路の幅員、事故、道路陥没状況などをAIで画像分析し、同様に結果を自治体へ提供する予定だという。

  • 実証実験の概要図